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【業界動向】

5GHz帯無線アクセスの可能性が再浮上
総務省の審議会で検討開始

■URL
http://www.soumu.go.jp/s-news/2001/011022_2.html

 2.4GHz帯の無線LANシステムに続く、低コストでより高速な無線アクセスシステムの実用化が期待できる手段として、5GHz帯の屋外利用開放の可能性が再浮上してきた。総務省の情報通信審議会に設置された「5GHz帯無線アクセスシステム委員会」が8日、1回目の委員会を開催し、検討を開始した。2002年3月にも答申をとりまとめる予定となっている。

 5GHz帯の無線アクセスシステムとしてはすでに、5.2GHzが屋内用として割り当てられており、国内でもこの秋から製品が発売される。一方、屋外でも利用できる方式としては5.3GHzが旧郵政省で2年ほど前に検討されたことがあるが、同じ周波数を使う気象レーダーや地球探査衛星への干渉を避けると魅力的なシステムはできないとの結論に達し、開放は見送られていた。

 今回、新たに検討されるのは、これらとは異なる4.9G~5.0GHzという周波数である。現在、この周波数は電気通信業務のデジタルマイクロ固定局用に割り当てられているため、今回もこれら既存の無線システムとの干渉が焦点になりそうだ。

 可能性としては、固定局の無線区間に干渉を与えないエリアでの利用を開放するという方法がある。この場合、都市部では利用できるエリアが狭くなるが、「大都市では光ファイバーの提供が見えている。他のエリアでこそ、5GHz帯で安価な無線アクセスシステムが期待されている」(委員会の主査を務める安藤真東京工業大学教授)という見方も成り立つ。実際、ADSLが急速に普及している今、「(5GHz帯無線アクセスシステムの)地方への展開を考えると、(検討を)タイムリーにやるべき」との意見も寄せられているという。

◎関連URL
■旧郵政省の発表資料「5GHz帯無線アクセスシステムにおける気象レーダーや地球探査衛星との周波数共用は困難」
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/pressrelease/japanese/denki/001023j602.html
■旧郵政省の「第131回電気通信技術審議会議事録」(2000年10月23日)
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/japanese/teletech/01023b02.html

(2001/11/8)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp