【技術】

ジョージア工科大学の大学院生による「Hyperbee」に注目

Webの完全なインデックス化を目指すP2P分散型サーチエンジンの挑戦

■URL
http://www.hyperbee.com/

 ジョージア工科大学の大学院生による、サーチエンジンを作るプロジェクトがにわかに注目を集め始めている。このサーチエンジン「Hyperbee」はP2P技術を採用した分散型サーチエンジンで、最終的にはWeb全体の完全なインデックスを構築し、その上高速な検索結果を得られるような相反する目標を達成することを目指している。

 Webの増大はあまりにも速いため、Google、AlltheWebなどといった巨大なサーチエンジンでもすべてのページをインデックス化することは難しいと考えられており、実質的に十分な数を集めていかに速い検索結果を提供するか、また、インデックスを構築する周期をどれだけ縮められるかという競争になりつつある。しかし、それらの相反する要求は、多大な数のサーバーを集めるという資金面での難しさだけでなく、一カ所からインターネットをインデックス化するときの帯域幅の限界というネットワーク的な要素もあり、今のところ完全に成功した企業はない。

 これに対してHyperbeeは、スクリーンセーバー型のソフトをボランティアのコンピューターにインストールしてもらい、P2Pネットワークを使って全世界で同時にWebをインデックス化する作業を分担させるというアイディアで作業を進めている。開発を担当しているジョージア工科大学大学院生のTodd Miller氏はこれまで一週間以上かかっていたインデックスの周期を数日で終わらせることができるだけでなく、Web全体を網羅することができる可能性についても触れている。このような方法はスクリーンセーバー型のソフトで地球外生命体の探索を行なって一定の成果をあげた「SETI@Home」プロジェクトを彷彿とさせるものだ。

 しかし、実際にはWebの増大のスピードに合わせてボランティアの数も増え続けなければならず、検索結果を表示する速さがどれほど得られるかという問題もありそうに思える。現在Hyperbeeでは、まだサーチエンジン自体が立ち上がっておらず、βテスターを求めている段階だ。また現在Hyperbeeは企業ですらなく、ジョージア工科大学内にある一プロジェクトにすぎない。現在はネット上で巨大な存在となっているYahoo!やGoogleも最初は学生のプロジェクトだったことを考えると、この大きな夢を持つプロジェクトがどのような実を結ぶことになるのか、今後も注目していきたい。

(2001/11/13)

[Reported by taiga@scientist.com]


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