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■URL
http://www.jsk.or.jp/news/mobile20011126.pdf (発表資料のPDFファイル)
自動車走行電子技術協会(自走協)は、IMT-2000を利用した自動車向け情報配信サービスの実験にとりかかる。自動車メーカーやカーナビメーカー、通信事業者らとともに策定を進めてきた標準仕様の試案がまとまったのを受け、実際に走行する車両を使って機能を検証することになった。配信されるのは地図情報、経路情報、周辺情報で、サーバーに蓄積されたデータをインターネットを経由して車載機器に読み込む仕組みだ。車載機間での情報のやりとりも可能だという。
仕様案では、データ形式や通信プロトコルなどが規定されている。データ形式としてXMLを採用しており、特に経路情報や周辺情報の配信には位置情報用のXMLである「NVML(NaVigation Markup Language)」が使われる。通信プロトコルにはHTTPを利用するが、それより下の層については規定していないため、通信手段やキャリアは限定されない。実験では、NTTドコモのFOMAとauのcdmaOneを利用する。ただし、地図などの大容量データをXML形式でやりとりすることから、通信速度がより高速なIMT-2000が現時点の本命だという。
実験は、首都高速道路や都心の一般道において11月28日と29日の2日間にわたり実施される。携帯電話とアンテナ、端末のエミュレータがインストールされたパソコンを搭載した車両を2台用意する。さらに12月18日と19日には、サーバーや車載機の組み合わせを変え、別の車両1台を使った追加実験も行なう予定だ。
自動車向けの情報配信サービスはすでに1997年から自動車メーカーなどにより開始されているが、顧客の囲い込みのためのサービスという意味あいが強く、独自のシステムによって構築されていた。したがって通信手段が限定され、それぞれのサービスで利用できるコンテンツも限られているため、「利用者数が伸び悩んでいるのが現状」だったという。自走協では、今回の実験結果などを踏まえながら、標準仕様案を今年度中に固める予定である。
なお、標準化作業には、トヨタメディアステーションを通じて「MONET」を展開するトヨタ自動車、コンパスリンクを通じて「COMPASSLINK」を展開する日産自動車、「internavi」を展開する本田技研などの自動車メーカーをはじめ、各社サービスに対応した製品を発売している富士通や松下通信工業などのカーナビメーカー、さらにNTTドコモやKDDIなどの移動体通信事業者など16社が参加している。実際に標準仕様に対応するかどうかは各社の判断となるが、端末やコンテンツの共通化が進めば、コンテンツの充実やサービスおよび製品の低価格化が期待できる。
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(2001/11/27)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]