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法務省、電子公証制度を15日より開始

■URL
http://www.moj.go.jp/MINJI/MINJI24/minji24.html
http://www.koshonin.gr.jp/

 法務省は1月15日より、公証制度をインターネットで可能にする「電子公証制度」を運用開始する。これに併せて、日本公証人連合会が同日より「電子公証サービス」を開始する。

 公証制度はこれまで紙ベースでの提供のみだったが、電子公証制度の開始によって、インターネットを介した電子文書においても公証が可能となり、企業間の債権譲渡などの電子取引や、企業と行政間の電子申請といった場面での活用が期待されている。

 今回開始する電子公証サービスは、法人として登記された企業を対象としており、企業が作成した電子文書の成立時期・内容を証明する「電子確定日付の付与」、電子文書のデジタル署名に指定公証人の認証を与える「電子私署証明書の認証」が中心となる。またこのサービスで作成した電子文書の原本を保存し、その同一性の証明や、同一情報(複製)の取得といったサービスも付随して提供する。

 利用には法務省の「商業登記制度に基礎を置く電子認証制度」に基づいた電子証明書を取得しておく必要があり、そのうえで電子公証サービスに対応したソフトを準備することが必要となる。ソフトは日本公証人連合会から技術仕様を申請して製作するか、日立製作所による電子公証クライアント(1万9,800円)を利用する。企業と指定公証人の間の通信は暗号化したうえでPKIに基づくデジタル署名を付けて行なわれ、認証過程での改ざんや盗聴を防ぐ形となる。

 日本公証人連合会は、電子公証サービスによって従来の紙文書と電子文書が並存することで、企業側の選択の幅が増え、電子取引での利便性や安全性の向上が期待できるとしている。また今回のサービスでは金銭の貸借、土地・建物の賃貸借等の契約や遺言などの公正証書には対応していないが、将来的にはこうした分野への拡大も図る方向だ。

(2002/1/11)

[Reported by aoki-m@impress.co.jp]


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