【業界動向】

米連邦取引委員会が製薬会社の米Lillyと和解
~個人情報の不正開示事件で

■URL
http://www.ftc.gov/opa/2002/01/elililly.htm
http://www.prozac.com/

 米連邦取引委員会(FTC)は18日、製薬会社の米Eli Lilly (Lilly)が同社サイト「Prozac.com」を通じて収集した個人情報を不正に開示した事件で、同社と和解したと発表した。和解条件の一環として、Lillyは消費者のプライバシーを保護するため、セキュリティ対策を強化する。

 Lillyは、向精神薬「Prozac」を製造、販売している製薬会社。同社は2000年3月15日から2001年6月22日にかけて、ユーザーの設定に合わせて、Prozacを投与したり、補充する時期を電子メールで知らせるサービスを提供していた。

 Lillyは会員のメールアドレスを利用して、同サービスの終了を電子メールで知らせるプログラムを作成。同社は2001年6月27日、メールの「To:」蘭に669人の会員全員のアドレスを誤って掲載した電子メールを会員宛に送信した。

 FTCによると、Lillyはサイトに「当社は訪問者のプライバシーを尊重し、ゲストのプライバシーを保護することが重要だと考えています」などとするプライバシー方針を掲載していた。メールアドレスの不正開示はこの方針に違反するとして、FTCはLillyを調査していた。

 FTCとの和解に当たり、Lillyは不正表示を禁止して、顧客から収集したプライバシーや個人情報を保護すること、情報セキュリティを強化して、不正アクセスや不正利用などから消費者の個人情報を保護できるよう、適切な管理的、技術的および物理的手段を確立して維持することなどで合意した。

 FTCがプライバシー保護について和解に至ったのは、昨年10月にプライバシー保護への取り組みを強化して以来、今回が初めてとなる。

(2002/1/21)

[Reported by hiro@nakajima-gumi.net]


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