【業界動向】

Netscape、Microsoftを提訴 ~AOLとMircosoftの対決姿勢がより鮮明に

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http://media.aoltimewarner.com/media/press_view.cfm?release_num=55252406

 米America Online(以下AOL)傘下の米Netscape Communications(以下Netscape)は、米MicrosoftのNetscapeに対する競争抑止行為に対して、訴訟を行なったと発表した。

 AOLによれば、Microsoftが1995年よりInternet ExplorerのWebブラウザー市場のシェア拡大のために行なった違法行為で、Netscapeは市場シェアだけでなくソフトウェア製品やポータルサイトからの収入源を失ったほか、マーケティング費用などが増加し、企業的な信用と営業継続が困難になったと主張。Mircrosoftの行為は、すでに米連邦地裁と控訴審が認めた独占禁止法違反で認められているという。今回の訴訟では、AOLが現在も続いていると主張するMicrosoftの違法行為に対する差し止め請求と、これら行為で被った被害額の3倍の補償を求めている。

 AOLの総合顧問弁護士であるRanndall J.Boe氏は、今回の訴訟について「連邦地裁などが認めたMicrosoftの独占禁止法違反を、論理的に拡張したものだ」と説明。「Microsoftが違法な行為で企業間競争と消費者に損害を与えているのは疑いのないこととして、「Netscapeが求めているのは損害補償だけではなく、コンピュータデスクトップ上の競争の回復させるために、裁判所がMicrosoftの違法行為を差し止めること」(Boe氏)だとしている。さらに独占禁止法裁判でMicrosoftと和解に至っていない9つの州に対して「Netscapeの訴訟と彼らの努力は目的が完全に一致する」として、積極的に支持する方針も発表した。

 AOLとMicrosoftは近年多方面にわたって対決姿勢を見せているが、今回のNetscapeの訴訟で、対決が一層激化するものと思われる。また2001年9月に米国連邦地裁が発表した分割断念以降、和解の方向に進んでいた独占禁止法訴訟が、さらに長期化する可能性も出てきた。

(2002/1/23)

[Reported by aoki-m@impress.co.jp / taiga@scientist.com]


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