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■URL
http://www.eclipse-jp.com/jeita/
社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)は28日、経済産業省が進める「住宅分野の情報システム 共通基盤整備推進事業」の研究実績として建設した「情報家電モデルハウス」を公開した。モデルハウスでは実際に情報家電に触れることができ「生活者の視点」から見た情報家電を体験できる。
モデルハウスの全景 | 玄関に入るとAIBOが迎えてくれる |
このモデルハウスは、各家電のネットワーク化を既存の住宅の改造により実現した「情報家電住宅」で、東京都八王子市・多摩ニュータウンの新築住宅を借用している。展示内容としては、「指紋認証鍵無し玄関ドア」「IT書斎」「自動給水システム」「ポット安否確認システム」などが用意されている。各情報家電は場所や条件によって、光ファイバー、電灯線、IEEE802.11b、Bluetooth、IEEE1394(i-Link)などのアクセスラインを用いて接続されている。JEITAでは、「注文があれば受注もできる現実的な技術とサービスを具体的な形で展示」するとしている。
特徴としては、居間に用意してあるテレビをモニターとして利用し、リモコンや音声認識で各部屋の照明やエアコンの制御を行なえるなど、ユーザーインターフェイスが優しいことが挙げられる。特に音声認識による操作は学習の必要がなかったり、各方言にも対応するなど完成度が高いものとなっている。また、参加企業は家電メーカー、建設会社、玩具メーカーなど多岐に渡り、ソニーとパナソニックのAV機器など同業種の企業の製品が混在して設置されている。
子ども部屋に設置された情報パネル。台所の母親と会話をしている | 居間に設置されたプラズマテレビ。リモコンを用いて、各部屋に設置された情報家電の操作ができる |
各部屋には、それぞれ液晶モニターとマイク、ビデオカメラが内蔵された情報パネルが設置されている。情報パネルでは、各部屋とのテレビ電話や音声認識による家電の制御ができる。また、将来的には自動車とのテレビ電話の実現も予想されているという。
ほかには介護関連も充実している。シニアルームに設置されたベッドでは、脈拍や呼吸を自動的に測定し、例えば呼吸が止まった場合、家族の携帯電話などに通知される。またトイレに行く際は、音声認識によりあらかじめトイレヒーターや廊下の照明の電源を入れるといった事も可能だ。
家事のサポートとしては、食品の自動発注システムなどが挙げられる。発注システムのデモとしてビールと米が用意されており、それぞれ一定量よりも少なくなると各商店へメールで自動的に発注が行なわれるというしくみだ。また、「インターネット洗濯機」も用意されていた。こちらは、ファームウェアのダウンロードや、故障時のメンテナンスなどに対応している。
インターネット洗濯機。左下に見えるのがインターネットへの接続ユニットだ |
JEITAでは、「情報家電住宅を見るだけではなく、体験してもらい、すばらしさを広く世界へ知らせたい」として、多くの見学者を募っている。このモデルハウスは、2月1日から3月20日までの期間、土日を含む毎日の予定で一般公開される(要申し込み、TEL:03-5282-1234)。
(2002/1/28)
[Reported by adachi@impress.co.jp]