【事業計画】

三井物産とマイクロソフト、新資格制度「ネットエキスパート」を提唱

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http://www.last1m.com/news_020205.html
http://www.microsoft.com/japan/presspass/releases/020502exp.htm
http://www.last1m.com/

(左)副島 利宏 三井物産取締役エレクロトロニクス事業本部長
(右)阿多 親市 マイクロソフト社長

「ネットエキスパート」のロゴ

 三井物産株式会社とマイクロソフト株式会社は、ブロードバンドの普及に伴い発生する問題を解決するためのプロフェッショナルを育成する新教育資格制度「ネットエキスパート」を提唱し、同制度の確立を目指す「ネットエキスパート制度推進協議会」を2月5日に発足した。同協議会の事務局を三井物産とマイクロソフトが担当し、ブロードバンド関連企業に幅広く参加を求めていき、同制度の整備を進めていく予定だという。現時点での参加企業は2社の他、USENやアッカ・ネットワークス、ヤマハなど37社となっている。

 今回の資格制度は、“Last 1メートル問題”を解決するプロフェッショナルを認定するためのものだ。両社では、各戸までのブロードバンド接続を提供する「Last 1マイル」は、ADSLやCATVの普及などにより整備が進んでいるが、個人ユーザーやSOHO、ネットワーク管理者がいない中小企業などでは“Last 1メートル問題”(宅内のモジュラージャックからPCまでの間の問題)がブロードバンド導入の阻害要因となりえるとしている。

 今回の制度設立にあたっては、昨年来のブロードバンドの爆発的普及が背景にある。ADSLやFTTHなどの加入者が今年度末で900万人を突破し、さらに5年後には2,000万世帯がブロードバンドを導入すると予測されている。これに対して、三井物産は「現在加入している300万人は、比較的自分で宅内設置などが行なえる上級者が多かったと思われる。しかし、これから増加していくユーザーは高齢者などのインターネット初心者も含まれるはずだ。これらのユーザーに対して、『宅内設置のプロフェッショナル』が配線等を行なうことは信頼に繋がるはずだ」と語った。

 「ネットエキスパート」は、「ネットエキスパート1種」と「ネットエキスパート2種」に分かれており、1種は、「Last 1メートル問題」を解決するプロフェッショナルの為の資格と位置付けられており、特定の講習を受けなければ取得できない。講習内容は、机上による講習のほか、実際の設置作業の講習なども含まれ、受講料金は20万円程度だという。2種は、ユーザーなどが自宅等に設置するための知識を学ぶものと位置付けられており、受講料は3万円程度を想定しているという。また、ネットワークを扱う為、資格取得後も継続的に知識の取得や実務が必要だとし、資格取得後も「アップデートされる技術情報の取得」や、「実務経験に応じたランク制の導入」、「定期的なスキルチェックの実施」などを行なう予定だという。

 「ネットエキスパート」が実際に行なう実務の技術範囲は、「ネットワークへの最終接続設定」、「無線LANを含む小規模LANの構築」、「セキュリティー対策の基礎」となっており、今後はIPv6やネットワーク家電などの設定等も行なっていく予定だ。

 ネットエキスパート制度推進協議会の今後の予定としては、3月頃に「制度ベータプログラム」を開始、6月~7月には「制度本格運用開始」の予定だという。また、初年度取得者を2,000人程度輩出し、5年目には1万5,000人を目指す。

(2002/2/5)

[Reported by otsu-j@impress.co.jp]


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