【業界動向】

イー・アクセス、基本的電話サービスのコスト負担に意見書

■URL
http://www.eaccess.co.jp/jp/press/pdf/op020214.pdf
http://www.soumu.go.jp/s-news/2002/020213_3.html

 イー・アクセス株式会社は14日、総務省が2月13日に公表した「IT革命を推進するための電気通信事業における競争政策の在り方についての第二次答申」に対して意見書を提出した。

 イー・アクセスが意見しているのは、「ユニバーサルサービス」のコスト負担の部分。ユニバーサルサービスとは、加入電話、公衆電話、緊急通報サービスを全国均一で提供することで、現在東西NTTが提供義務を負っている。しかし、東西NTTだけではコスト負担が厳しくなっていることから、総務省では対象を「加入者回線等から受益している事業者(音声伝送役務以外の提供事業者も含む)」に拡大する方針だ。

 イー・アクセスでは、NTTのコスト負担が増加した理由は、マイライン制度導入による事業者間の値下げ競争の結果など電話サービスに関わる部分であること、また、そもそも「ユニバーサルサービス基金」で補填される費用は、従来の電話サービス事業者の非効率性などから起因した「過去の負債」で、それを新規事業者にも負担させることは新規参入を阻害すること、さらに、イー・アクセスなどADSL業者が利用する加入者回線は東西NTTが独占していて、この独占分野の赤字を他事業者が負担するのは不公平だとしている。その上、「ユニバーサルサービス」のコスト負担が大きくなるのは、主に電話局から4km以上はなれた遠距離地域で、ADSL業者は「この地域で全く受益を受けていない」という。同社は、コスト負担業者の対象を「設備面」で切り分けるのではなく、「役務面」で決定すべきだという意見をまとめている。

 総務省が公表したこの答申は、市内通話料金(マイライン)、DSLサービス料金の低額化に反して、基本料金などの独占的料金に価格差が存在していることや、IP電話やFTTH接続などのブロードバンド化が急速に進展していることを受けて新たな競争政策を定めようというもの。「ユニバーサルサービス」以外に、電力会社など異業種の新規参入に向けた規制緩和や、そのような企業が保有する既設光ファイバー網の利用に向けた制度の簡素化、通信と放送の融合に向けた新たな事業区分の見直しなどが盛り込まれている。

(2002/2/14)

[Reported by okada-d@impress.co.jp]


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