【調査結果】

Eジャパン協議会、スパムメールに対する調査結果を報告

■URL
http://www.ejf.gr.jp/

 総務省の外郭団体であるEジャパン協議会は14日、スパムメールの実態調査の結果を発表した。

 調査は、海外での事例に関する文献調査や、専門家、スパムメール業界関係者へのインタビューに加え、携帯電話やPCでのインターネット利用ユーザーと、ISPのメールサーバー管理者を対象にアンケート形式で行なわれた。携帯電話やPCユーザーはオンラインで、メールサーバー管理者へは郵送で行なったという。有効回答数は、オンラインが1,113件。管理者からの回答が195件となっている。

 調査報告では、「スパムメールの現状」、「スパムメール被害の実態」、「スパムメール対策」と3つに分類し、まとめられている。

 「スパムメールの現状」では、「9割以上の利用者が、何らかの迷惑メールを受信した経験があり、スパムメールを問題視している」や「スパムメール受信経験者の8割は、出会い系サイトなどの広告メールを受信しており、1日平均では、PCで3.3通、携帯電話で2.7通受信している」と報告している。

 また、「スパムメール被害の実態」では、利用者の5割が「意図しない不必要な課金」と「削除に貴重な時間を費やしてしまった」ことを指摘しているほか、ISPの9割は、スパムメールが原因となりトラブルを経験しているという。

 3点目の「スパムメール対策」では、9割の利用者が「スパムメールを受信したらとにかく削除している」と回答しており、何らかのスパムメール予防策を講じている利用者は半数以下しかいないという。8割のISPは、不正中継防止などの何らかのスパムメール対策を実施しており、5割のISPは送信元が自社ユーザーと判明した場合、警告や退会処分も行なっているとのこと。報告では、「利用者はISPに、ISPはユーザーに対して、何らかの対策を望む傾向にあり、利用者もISPも9割以上が、行政側に法規制などの対策を期待している。しかし、利用者はプライバシーの侵害を、ISPは負担が増加することを懸念している」としている。

 これらの調査結果より、Eジャパン協議会は対策案として、「自衛的対策」、「対立型対策」、「共生型対策」の3つの対策を提案している。「自衛的対策」では、事業者がフィルタリングソフトの開発などスパムメール対策サービスを開発し、利用者側では自ら設定し、変更することで事業者の費用負担を軽くすることが必要だという。「対立型対策」では、スパムメールの内容および行為を明確に規定し、スパムメール配信者を処罰する方法が挙げられている。この場合、配信者だけでなくその広告主も処罰すると効果的だという。また「共生型対策」では、スパムメール配信業者を組織化し、そこが自主規制ルールを作成し、そのルールに沿ったメールの配信は原則許可する方法が挙げられた。この場合は、ルールが明確にされている為、利用者側でフィルタリングが容易にできるようにする事が必要だという。

 Eジャパン協議会では、「法的に規制しても技術的にスパムメールを根絶することは難しい。従って、法的規制よりも社会全体で連携した対策が可能になることが重要だ」としている。

(2002/2/15)

[Reported by otsu-j@impress.co.jp / ROKO]


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