INTERNET Watch Title
Click

【調査結果】

2001年の国内BtoB市場が34兆円規模に

■URL
http://www.meti.go.jp/kohosys/press/0002379/

 経済産業省、電子商取引推進協議会(ECOM)、NTTデータ経営研究所は18日、共同で実施した「平成13年度電子商取引に関する市場規模・実態調査」の結果を発表した。日本における2001年のEC市場規模は、BtoB分野で前年比60%増の34兆270億円に達したことが明らかになった。

 先行する「電子・情報関連機器」(44.33%)と「自動車」(39.73%)という2品目が大きな割合を占めているが、「化学」(1.34%)、「産業関連機械」(2.84%)、「紙・事務用品」(0.39%)が今後拡大する兆しを見せているとしている。さらに今後、2006年にはBtoB全体で125兆4,300億円規模になると予測。「電子・情報関連機器」(24.72%)、「自動車」(18.70%)の2品目は依然として高い割合を占めるものの、「建設」(11.54%)や「繊維・日用品」(8.75%)などが伸び、品目間の偏りは縮小していくと見ている。

 このうち、売り手/買い手ともに複数の事業者が参加するオープンな電子商取引のプラットフォームとなる“eマーケットプレイス”の取引規模を見ると、2001年が3兆9,800億円、2006年予測が13兆6,200億円となっており、市場規模全体が拡大しても依然として1割程度を占めるに過ぎないことがわかる。今後、eマーケットプレイスの市場が拡大するには、標準化が進み中小企業でも利用できるプラットフォームの普及がカギになりそうだ。

 中小企業対策は、BtoB全体の市場拡大についても大きな影響を及ぼすことになる。今回のアンケート調査でECの阻害要因として挙げられている項目のうち、PC配備状況やインターネット接続速度などのIT環境は今後改善されると考えられている一方、システムコストや標準化が不十分なこと、商慣行の制約などは依然として3年後も阻害要因になる項目として挙げられている。

 NTTデータ経営研究所のシニア・コンサルタントである飯塚和幸氏は、ECの拡大のためには、コスト負担感の強い中小企業における導入支援、データや取引出続きの標準化の推進、国や自治体の電子入札/調達の早期実現による商慣行の制約打破を急ぐべきだと指摘している。

(向かって左から)経済産業省情報処理振興課の井上友貴氏、ECOM事務局次長の平井吉光氏、NTTデータ経営研究所ソーシャル・イノベーション・コンサルティング本部長の小田島労氏 ECの阻害要因についてのアンケート調査結果を説明するNTTデータ経営研究所の飯塚氏。グラフの薄紫が現在の阻害要因、濃い紫が3年後の阻害要因として挙げられた数値を示している

(2002/2/18)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]


INTERNET Watchホームページ

ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp