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■URL
http://www.ttb.go.jp/hodo/h1401-03/0226a0301.html
総務省東北総合通信局は26日、「東北地域におけるインターネットへのブロードバンドアクセスの現状」についてとりまとめた。2001年12月末現在の加入者数はDSLが4万9,669件、CATVインターネットが3万7,908件。これらを合わせた世帯普及率は2.7%で、全国平均の6.0%を大きく下回った。
政令指定都市を抱える宮城県も含めて全国平均を上回ったところが1県もなかったが、地方ではブロードバンドサービスの開始が比較的遅いことを考えれば、特に驚くべきものではないだろう。中国総合通信局や四国総合通信局も同様のデータを発表しているが、総じて東北ほど低水準ではないにせよ、やはり各県とも全国平均にはとどいていない。むしろ注目すべきは、同じ東北地方の中でも各県の世帯普及率に格差がある点だ。東北6県でもっとも高かったのは山形県で4.6%、もっとも低かったのは福島県で1.1%だった。約4倍の開きである。
理由は、発表されたデータを見れば一目瞭然だ。福島県ではCATVインターネットが提供されておらず、加入者数がゼロなのである。DSLだけを見ると、加入者数は山形県が6,049件、福島県が7,772件となっている。世帯普及率に換算すると山形県は約1.6%、福島県は1.1%で、DSLについては1.5倍程度の違いでしかない。しかしながら山形県にはCATVインターネットの加入者が1万1,133件おり、結果としてこれが同県におけるブロードバンド世帯普及率を押し上げている。
さらに極端な例が三重県で見られる。東海総合通信局がまとめた「CATVインターネット、DSL加入者数の推移」によると、12月末時点での同県におけるCATVインターネット加入者数は6万4,041件で、DSLの9,033件を大きく引き離している。世帯普及率を見ても、DSLが1.4%に過ぎないのに対し、CATVインターネットは10.1%。ブロードバンド世帯普及率が11.5%という全国平均の2倍近い三重県の水準は、CATVインターネットによってたたき出されているわけだ。
三重県のウェブサイトによると、同県のCATVの世帯カバーエリア率自体、全国トップレベルなのだという。また、CATVインターネットについても比較的早い時期にサービスに取り組んだ事業者が現われているエリアでもある。上記のような高い数値を示すのも不思議ではない。そのせいもあってか、日本経済新聞社と日本インターネットプロバイダー協会が昨年夏に実施した調査では、三重県における「IPアドレスあたり世帯数」は10.35件、「世帯あたり帯域幅」は74.73kbpsと、それぞれ全国1位に輝いているという。
総務省が1月31日にまとめた「インターネット接続サービスの利用者数等の推移」によると、12月末時点の全国のDSL加入者数が、先行していたCATVインターネットの加入者数を逆転した。東北6県を見ても、DSLが4万9,669件、CATVインターネットが3万7,908件と同じ傾向である。今後、このまま地方でもDSLのサービスエリアが拡大していけば、ブロードバンドの普及で出遅れた感のある福島県などでも、徐々に追いついていくものと思われる。とはいえ、CATVインターネットが、特に地方のブロードバンドにおいて重要な牽引役となっているのは間違いなさそうだ。
◎関連URL
■中国総合通信局「中国地方におけるブロードバンドの現況」
http://www.cbt.go.jp/hodo/2002de010-1.html
■四国総合通信局「四国のブロードバンド・アクセスの普及状況」
http://www.shikoku-bt.go.jp/news/2002press/200202/2002021901%20.htm
■東海総合通信局「CATVインターネット、DSL加入者数の推移」
http://www.tokai-bt.soumu.go.jp/denki/catvdsl-1.htm
■三重県「県内CATV整備計画」
http://www.pref.mie.jp/KIGYORI/boshu/BUSINESS/etc/catv/
■総務省「インターネット接続サービスの利用者数等の推移」
http://www.soumu.go.jp/s-news/2002/020108_4.html
(2002/2/27)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]