【技術】

米NECの研究者たちがインターネットの新しい検索アルゴリズムを発見

■URL
http://www.neci.nj.nec.com/

 米NEC Research Instituteの研究者たちが、インターネット検索における全く新しいアルゴリズムを発見したと発表した。発見内容はIEEE Computer Societyの「Computer Magazine」誌3月号に掲載される。

 研究者たちは、Webページにリンクが張られているということが、「リンクを張っている側も張られている側も同じ興味を抱いていること」の表れと考えた。彼らはこのリンクのつながりをたどっていくと一つのコミュニティーができあがることに気がついた。また、このコミュニティーの中にあるリンクの数は、コミュニティーの外にあるリンクの数よりもはるかに多いことも判明した。こうした構造は決して自明なものではなく、誰かが管理してるわけでも情報を整理してるわけでもないので、極めて不思議なことといえる。

 このコミュニティーをたどっていくことによって、これまでのように特定のページにある文章や言葉によって検索内容が一致することを確認するよりも、はるかに効率的に求める情報を探し出すことができると考えられる。ページの中に検索語が一言も含まれていなくても検索者の抱いている関心に一致する情報をコミュニティーの中に見つけることができるからだ。これまでもGoogleのように、リンクが多く張られているという事実からそのページに重要な意味があると判断して検索結果の精度を高めている例はあるが、この場合でも最終的な検索結果には検索語とページの中に含まれている言葉とが一致する必要があった。

 NEC Research Instituteでは、このアルゴリズムを既存のサーチエンジンの性能を向上させるために使うだけでなく、コンテンツフィルタリング、インターネットコンテンツの分析、Webコミュニティーの間の関係の研究などさまざまな応用があると考えている。

(2002/3/6)

[Reported by taiga@scientist.com]


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