■URL
http://www.soumu.go.jp/s-news/2002/020312_1.html
総務省は、「東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社の第一種指定電気通信設備に関する接続約款の変更の認可について(総務省令の改正を受けた基本的な接続機能の追加等)」に対する意見募集結果を公開した。なお、この意見は2月15日から3月8日まで募集していた。意見提出者は、東西NTTのほか、ケーディディアイ株式会社(KDDI)、日本テレコム株式会社(JT)、株式会社アイ・ピー・レボルーション(IPR)の5社。
今回募集されていた接続約款変更案は、主に「FTTHサービスに提供される光ファイバ設備のアンバンドル」「中継系光ファイバー設備の利用に係る手続きなどの内外無差別化」「DSM-Iなどの『基本的な接続機能』の追加」だった。
東西NTTが2月12日に提出した約款変更申請では、光ファイバー設備のアンバンドルとして、光信号電気信号変換機能(メディアコンバーター:MC)と、光信号分離機能(光スプリッタ)を他の接続事業者が利用するための接続料を設定している。
ただし、東西NTTから出された意見書では「他者業者が市販品として容易に調達できる」「既に提供しているダークファイバーと組み合わせることで他社もFTTHサービスを提供できる」「外国では、MCのような市販品にアンバンドル義務を課していない」として、MCを指定電気通信設備の指定から外すための議論の場を早急に設定するように要求している。さらに、光ファイバー設備やルーターなども指定を外すために検討課題にせよと要求している。
KDDIからは、MCの接続料の定期的(少なくとも1年ごと)な見直しが要求された。申請では、接続料は平成13年度から17年度までの将来原価方式で計算されており、5年間変更しないとされている。また、集線型MC(16個のMCを束ねて接続事業者への出力端子を1つにしたもの)の接続料の支払い開始時期の見直しも意見された。申請では、集線型MCに接続されている光ファイバー数が16本未満の場合でも、16回線分の光ファイバー接続料を払わなくてはならない。KDDIでは、実際に接続している光ファイバーの本数分の利用料へと見直しを要求している。
IPRからは、MCの障害対策に注文がついた。申請では、障害受付は24時間365日だが、対応は平日の午前9時から午後5時までとなっている。この点について、「インターネットは夜間や休日の利用が多い」ので対応も24時間365日体制にすべきだという。さらに、顧客側(ユーザー宅)側のMC設置は接続業者が行なうようになっているが、これもNTTが一括して行なったほうがよいとしている。
約款変更申請では標準的接続期間も明記された。東西NTTでは、接続用設備の設置または改修の申し込み到達日から、MCは4ヶ月以内、光信号伝達装置(OLT)では5ヶ月以内としている。この期間に対して、KDDIやJTから「長い」という意見が寄せられた。KDDIからは「設計/調達/工事に係る期間を再度見直し、より短い期間を設定せよ」、JTからは「東西NTT殿内部での社内手続きに要する時間が長いことが長期化の要因」という厳しい意見が述べられた。さらにJTからは、FTTH接続が可能なエリアでは既にBフレッツサービスが提供されているので、接続事業者用のラックの設置は不要でパッケージの追加だけで事足りるのではないか、NTTは自ら所有しているラックにパッケージを追加するだけなので、公正な競争を阻害しているのではないか、という指摘があった。
中継系光ファイバー網の利用手続きの内外無差別化については、NTTも他の接続業者と同一の手続きを要するという変更案が出されている。これについて、KDDIやIPRからは、運用面での具体的方法が不明という指摘があり、早急なルール作りが要望された。さらに、加入者系光ファイバー網やMCなどすべての設備についても内外無差別化が必須だという意見も提出された。
これらの意見を踏まえて、総務省情報通信審議会では調査審議を行ない、総務大臣に対し答申することになっている。
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(2002/3/13)
[Reported by okada-d@impress.co.jp]