【業界動向】

ICANNが改革で合意~しかし「地球規模の選挙は最良の方法ではない」

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http://www.icann.org/minutes/prelim-report-14mar02.htm

 インターネットのドメイン名を管理する団体であるICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)が14日、ガーナのアクラで開催された会合を終えた。先月には、各国政府からの理事を受け入れ「半官半民組織」として再生することを目指すといった組織改革案が提言されていたことから、今回の会合の結果に注目が集まっていた。

 ICANNが会議で決定した内容を記した予備報告書によると、ICANNは「今後もインターネットを利用するすべての人の声に耳を傾ける重要性を認識している」と改革への合意を表明しつつも、すべての人が参加できる地球規模の選挙を行なうことに対する懐疑的な姿勢を示した。

 報告書では、地球規模の選挙ついて「公正さ、代表の適格性、正当性、運営コストに懸念がある」と問題を指摘した上で「理事会は地球規模の選挙が、人民全体を正当に代表し得る、あるいはICANNプロセスの中で状況をよく理解しているインターネットユーザーが役割を果たすということが、唯一あるいは最良の方法であると確信しているわけではない」と結論した。

 一般のインターネット利用者、企業、政府などの意見を取り入れながらも、どのようにその利害関係を一致させていくかという具体的な方策については結論が出ず、6月にルーマニア・ブカレストで開かれる次回の会合で改めて話し合われることになった。

 また改革で出されていた理事会の改変についても現在直接選挙によって任命されている5人の理事の任期の問題も結論が出なかったため、直接選挙による代表が消え去る懸念も参加者の一部から出ているようだ。

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(2002/3/15)

[Reported by taiga@scientist.com]


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