■URL
http://ieee802.org/15/index.html
http://www.bluetooth.com/
電子通信分野の標準規格を策定している国際団体IEEEは21日、IEEE標準規格「802.15.1」を採択したことを発表した。この規格は、Bluetooth仕様ver1.1と完全な互換性を持つ「PAN(Personal Area Network)」の標準規格だ。
Bluetooth技術は、近距離通信を低消費電力で行なうことを目的に米3Com、Ericsson、Intel、Motorola、Nokiaなどの企業により結成された業界団体「Bluetooth SIG(Special Interest Group)」によって策定された規格だ。標準規格ではなかったもののPDA、携帯電話などの携帯機器に採用されつつある。
IEEEは、このBluetoothを標準規格として採択するため、Bluetooth SIGから技術をライセンスし、IEEE802.15ワーキンググループで検討されているPAN規格をBluetooth完全互換とした。
IEEE802.15.1採択について、このワーキンググループ副議長のIan Gifford氏は「この新しい標準規格により、Bluetooth仕様は市場から正当な評価と支持が得られることになり、さらにBluetoothデバイスを実装しようとする人にとって有用な情報源となるだろう」とコメントした。
IEEE802委員会では、こうしたPANだけでなくLAN、MAN、無線LANなどの標準策定にも携わっており、無線LANの規格として有名な802.11規格もこのグループの一つである。802.11規格もBluetoothも2.4GHz周波数帯を使用するが、802.11では約100メートルの到達距離と最高54Mbpsの通信速度であるのに対して、Bluetoothは到達範囲が10メートルほどで通信速度もこれに遠く及ばず、お互いに補完し合う技術となっている。なお、IEEE802.15グループでは、このように同じ周波数帯を使用する無線LANとPANの互換性を保つための標準規格802.15.2規格の標準化を別に進めている。
(2002/3/22)
[Reported by taiga@scientist.com]