【調査結果】

女子高生の22%が「出会い系サイト」利用、半数が実際に会う~警察庁調査

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http://www.npa.go.jp/

 インターネットの「出会い系サイト」を通じた事件が頻発し社会問題化している中、女子高生の2割が「出会い系サイト」にアクセスした経験があり、そのうちの約半数がサイトで知り合った相手と実際に会っていたことが28日、警察庁の研究会が実施したアンケート調査で明らかになった。調査は、文部科学省、プロバイダー事業者などで構成される「インターネット上の少年に有害なコンテンツ対策研究会」が、2001年9月から10月にかけて山形、東京、大阪、島根の中高生539人とその保護者465人を対象に実施したもの。

 調査結果によると、インターネット利用経験は中学生で84%、高校生で94%に上っている。出会い系サイトの利用経験は、中学生では女子が7.1%、男子が2%と1割未満にであるのに対し、高校生では女子が22%、男子が18.4%と急増している。利用経験者のうち、35.8%が実際に会った経験が「ある」と答え、特に女子高生は43.2%がサイトで知り合った相手と面会をした経験があるという結果となっている。利用目的は、「興味本位」が52.2%と最も多く、以下「異性の友人を作る」46.3%、「同じ趣味を持つ仲間を作る」32.8%。また、出会い系サイトを利用するにあたり、34%が「特に問題はない」とし、「利用してはいけない」の16.3%を大きく上回り、出会い系サイトの危険性に対する意識の低さが露呈した形となっている。

 一方、保護者の意識については、45%が子供がインターネットを利用する際何もせずに自由に使わせており、「子供が見ているサイトの内容をチェックしている」と答えた保護者はわずか5%にとどまっている。

 研究会では、アンケート調査を踏まえ報告書をまとめ、その中で「保護者はネット上の違法、有害コンテンツの現状をもっと認識する必要がある」と指摘、さらに、プロバイダー等によるフィルタリングサービスの提供や学校における情報教育の必要性、18歳未満の出会い系サイト利用を禁じる法的規制の検討も必要と提言している。

 政府のe-Japan重点計画によれば「2005年までにすべての小中高等学校等が各学級の授業においてコンピュータを活用できる環境を整備するととともに、授業や家庭・地域・他校とのコミュニケーションへのネットワークの積極的活用を支援する」とされており、今後ますます小中高生とインターネットとの関わりが増大する。家庭における監督指導はもちろんのこと、学校での情報教育において、インターネットの有効性だけでなく同時に陰の部分もとりあげることが不可避となる。さらに有害なコンテンツに関しては、学校だけでなく、ISPなどの民間企業および行政機関の積極的な連携および問題への取り組みが必要となる。従来の縦割りによる取り組みではなく、各期間が歩調をあわせ一体となった取り組みが今後必要となるだろう。

(2002/3/28)

[Reported by maki@writeup.jp]


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