【業界動向】

携帯電話のコンテンツ転送で年間約4,630億円の損失
~ノルウェー企業が試算

■URL
http://www.beepscience.com/pages/news/pressreleases/MMS%20Forwarding%20final.htm

 マルチメディアメッセージングサービスのノルウェーのBeep Scienceは4日、「サードパーティーのマルチメディアコンテンツを何らかの方法で守らない限り、世界中の携帯電話事業者が年間40億ユーロ(約4,630億円)の損失を被ることになる」と警告した。

 2月に米Frost&Sullivanが発表した調査報告によると、全世界で行なわれている有料マルチメディアコンテンツによる収益は2006年までに310億ユーロ(約3兆5,880億円)に達するものと予測されており、重要な市場だ。しかし、こうしたマルチメディアコンテンツが自由に携帯電話利用者が転送できるような状態にあるならば、かつて「Napster」によって生じた問題と同じ問題が携帯電話上のコンテンツに生ずることになり、携帯電話事業者、コンテンツプロバイダーなどが多大な損害を被ることになるとBeep Scienceでは警告している。

 この状況についてBeep ScienceのCEO、Jan Rune Hetle氏は「人気のあるコンテンツが山火事のようにユーザーからユーザーと広がるいわゆる“スーパーディストリビューション”は、オペレーターとコンテンツプロバイダ双方にとってチャンスとなる一方、同時に潜在的な収益源への脅威と成りうる」と述べた。この脅威はあまりにも大きいため、Beep Scienceは将来的にコンテンツプロバイダが有料マルチメディアコンテンツサービスから撤退し、結果として市場が後退し、携帯電話事業者が付加的な収益源を失うことになることを懸念している。Hetle氏は「現在、着メロや画像などに使われている単純な転送禁止措置はマルチメディアコンテンツ市場ではうまくいかない。マルチメディアコンテンツの転送を禁止することは、付加的な収益を生み出す源泉を無駄にすることになる。必要なのはこれらの問題をすべて解決するための方法だ」との考えを示した。

 そのためBeep Scienceではこうした問題に対する独自の解決策としてコンテンツポリシーをコンテンツプロバイダが調整することのできるシステムを販売している。このシステムではエンドユーザーがコンテンツをダウンロードしたときに加えて、ユーザーが転送しようとしたときにも新たに料金を請求することができるという。

(2002/4/8)

[Reported by taiga@scientist.com]

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