【イベントレポート】

ネットコミュニティー型エンターテインメントの新しいあり方か
クラブイベント「ムネオハウス」レポート

■URL
http://dir.yahoo.co.jp/Entertainment/Music/Humor/Muneo_House/

 4月5日深夜、巨大掲示板「2ちゃんねる」で盛り上がりを見せた「ムネオハウス」のパーティーが開催された。会場となった東京新宿のライブハウス「ロフト・プラスワン」には整理券を手にした300人が集まり、明け方まで「委員長!」の声が鳴り響いた。

 “ムネオハウス”とは、鈴木宗男議員や辻元清美元議員の国会答弁などの声をサンプリングネタとして使ったハウスミュージックのこと。2ちゃんねる「TECHNO板」に集うユーザーが次々とムネオハウスの曲を作り、インターネット上にアップロードし合った。2ちゃんねるユーザーの間では、曲だけでなくFlashムービーなども作られ、インターネット上のムーブメントへと発展した。

 ムネオハウスパーティをオーガナイズしたumai bow氏は言う。
 「2ちゃんねるの掲示板を見てて、ある程度(曲数が)いったので、これでイベントができたら面白いんじゃないかということになった

 事実、ムネオハウスの曲数はすでに数十曲を越え、アルバムも8枚もリリースしていることになっている。また、Yahoo! Japanでは「ムネオハウス」というカテゴリーが作られた。

 「鈴木宗男議員の証人喚問の直後に、さらにいろんな人が曲が提供してくれたので、これは(イベントを)やるしかないねってことになって――そしたらDJやりますとか、VJやりますとか、いろんな人が志願してくれたんです」(umai bow氏)

 2ちゃんねるを中心にしたムーブメントでは、年末の「田代まさしを米TIME誌の『パーソン・オブ・ザ・イヤー』にネットの投票で選ぼう」という盛り上がりが記憶に新しいが、“ムネオハウス”はネタから実際に作品ができて実際のイベントへと発展する、ネットコミュニティー型のエンターテインメントのあり方の1つともいえる。特にumai bow氏をはじめとするイベント運営者たちが現れて、ボランタリーベースで人々が活躍しているのが興味深い。


 今回のパーティーのスタッフの多くはイベントを運営を経験してきた人ばかりではないと、広報担当の宮大工氏は言う。一方、客もクラブでのイベントに参加するのが初めてという人も多かったようだ。パーティ参加に際しては事前申し込みによる整理券が必要だったが、300人の会場に対して2,000人からの応募があったという。

 来場者の多くが“踊る”というよりも、会場の前面に映されるVJによる鈴木宗男氏をパロディ化した映像や主催者たちの盛り上げに対して、声をあげたり手をあげたりしており、一種のライブのようにも見えた。客層も雰囲気もクラブイベントとはかけ離れている様子だった。

 当日、客としてきていた2ちゃんねる管理人のひろゆき氏はこのイベントに対して、「きっかけが掲示板だったということだけであって、面白い曲をグループで作っているっていうのはどこでもある話」と冷静に答える。ただ、前出のumai bow氏や他のスタッフなども「2ちゃんねるがなければ、(こんなイベントは)できなかった」と語っている。

 なお、イベントの最後に会場の盛り上がりに流される感じで宮大工氏が次回開催を予告したが、詳細はまだ未定である。

(2002/4/8)

[Reported by nisida-r@impress.co.jp]

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