【通信事業】

岐阜県、三重県らが共同で商用地域IXを設立
~NTTコム、KDDIも参加

■URL
http://www.gcix.jp/


左から、NTTコム・鈴木社長、中部コンピューター・辻取締役、岐阜県・梶原知事、GCIX・伊藤社長、KDDI・奥山副会長

 18日、岐阜県、三重県らの資本参加による商用地域IX(Internet eXchange)「ジーシーアイエックス株式会社(GCIX)」の設立総会が開催された。GCIXは、岐阜県大垣市を本店所在地として18日付けで設立、商用IX事業のほか、自治体向けコンサルティング、ベンチャー支援サービスなどを提供する。資本金は8,300万円で、両県のほか、NTTコミュニケーションズ(NTTコム)株式会社、KDDI株式会社らが出資している。また、顧問として、岐阜県知事 梶原拓氏・三重県知事 北川正恭氏のほか、石井威望氏(東京大学名誉教授)、村井純氏(慶應義塾大学教授)、江崎浩氏(東京大学大学院助教授)、高橋徹氏(株式会社インターネット戦略研究所会長)らが名を連ねている。

 GCIXでは、地域IXとして、岐阜県内および三重県、滋賀県、福井県等を中心とした地域のISP・CATVのトラフィックを集約し、NTTコムおよびKDDIによるバックボーンへの接続サービスを提供する。また、東海・北陸・近畿地域の地域IXを「MPLS(Multi Protocol Label Switching)」技術により相互接続する広域IX事業も提供する。将来的には、三重県志摩の海底ケーブルと接続することにより、地域IXから「国際IX」への展開も構想しているとのこと。IX事業のほかには、VoIPやVPN、認証機能などの付加価値サービス提供、自治体や教育機関、研究機関向けのコンサルティングなどが予定されている。

 なお、岐阜県では、2002年度に県内11カ所のアクセスポイントを光ファイバーで結ぶ「岐阜情報スーパーハイウェイ」の整備を進めている。今後はさらに行政、学校などの県関連施設にも光ファイバー網を拡大し、2003年4月には無料開放する予定だ。GCIXでは、この岐阜情報ハイウェイを活用して地域トラフィックの集約を図る。

 IT関連企業の集中、また、IXの集中など、東京への“一極集中化”を解消する目的でも、地域IXの存在が注目を浴びている。GCIX設立総会において、岐阜県知事 梶原氏は、「今回のプロジェクトは、国からのバックアップを受けていない。いよいよ地方の時代が来た」と語った。また、顧問の石井威望氏は、2001年9月の米国テロ事件の例(現場付近に集中していたIXが被害を受けた)を挙げ、地域ごとにIXが分散しているのは安全面でも重要だと述べた。また、データの一極集中による脆弱性を回避する目的でも、地域IXは必要だという。

岐阜県知事 梶原拓氏
三重県知事 北川正恭氏
東京大学名誉教授 石井威望氏

 

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(2002/4/18)

[Reported by okiyama@impress.co.jp]

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