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http://www.mcafee.com/aboutus/press_room/press_releases/May72002_1.asp?
米McAfee.comは7日、スパム対策ソフト「McAfee.com SpamKiller」を29.95ドルで発売した。これはメール受信時に自動的にスパムを認識し削除するほか、2度と送られてこないように「偽造不達メール」を送信するなど、発信元に対する対策まで行なってくれるソフトだ。企業向けの高価なスパム対策ソリューションを導入できない中小企業向けの商品となっている。このソフトはMcAfee.comが買収したノルウェーのNovasoft社の技術を元に開発された。
SpamKillerをインストールすると、ユーザーのPOP3アカウントを常時スキャンし、入ってくるメッセージの発信元をスパム発信元データベースと照合し、スパムと判断したものを削除する。このデータベースは一日一回McAfee.comによりアップデートされる。また、サブジェクト、本文、メッセージヘッダーなどの情報をもとに、そのメールがスパムかどうかを判定する。
さらにSpamKillerは、スパムが二度と来ないようにするため、メールがユーザーのアドレスに届かなかったかのように「不達メール」を偽造し、発信元に送信する。一般にスパム送信者は不達メールを自分たちのリストから削除し、常にメールアドレスを新鮮に保つよう努力しているため、この手法により自分のアドレスがスパム送信者のリストから削除される可能性が高い。またメールのヘッダなどの情報からSpamKillerは自動的にスパム送信者が利用しているISPに対して苦情のメールを送信する機能も備わっている。
一方で必要なメールまで削除されてしまう危険性をなくすため、SpamKillerでは削除したメールを30日間は保存しておく設定になっているほか、絶対にスパム扱いしてほしくない友人、同僚などのメールアドレスを登録しておく機能もある。
大企業ではこれまでゲートウェイレベルで高価なスパム対策ソリューションを導入することが多かったが、中小企業や個人向けの有用なスパム対策ソフトはまだ少なく、大手のMcAfee.comが安価なソフトを発売する意義は大きい。スパムは有用な時間を奪い、大企業に限らず、中小企業や個人にも大きな損害を与える物だけに、今後ウィルス対策ソフトのようにスパム対策ソフトが普及するかどうかが注目される。
(2002/5/8)
[Reported by taiga@scientist.com]