■URL
http://www.spectralink.com/
http://www.symbol.com/
米SpectraLinkは8日、無線LAN携帯電話を販売している米Symbol TechnologiesがSpectraLinkの音声用のQoS(Quality of Service)技術を採用したことを発表した。現在無線LAN携帯電話を販売しているのはSpectraLink社とSymbol社だけだとされており、これにより無線LAN携帯電話の音声用QoS技術ではSpectraLinkの技術がシェア100%を占めることになる。QoSの標準化を進めているIEEE 802.11e規格に与える影響も注目される。
発表された契約によると、SpectraLinkのSpectraLink Voice Priority技術がSymbolの「Spectrum24 High Rate」無線LANアクセスポイントに実装されることになる。これによりSymbolの無線LANネットワークでデータ通信と音声通信を統合させることができる。
無線LANにおけるQoS技術は、最終的にはIEEE 802.11e技術として収斂していくと考えられている。しかし、音声通信において音声の途切れ等は不都合であるため、データ通信よりもデータの遅延に関してはるかに厳しい基準が実質的に要求されている。SpectraLinkでは、この問題を解決するために独自の技術を開発していた。SpectraLinkのSpectraLink Voice Priority技術は、現在無線LANの実質的な標準となっている802.11b規格と完全な互換性を保っており、SpectraLinkはこの技術を無線LANアクセスポイントメーカーに積極的にライセンスしていきたい意向だ。
今回の技術ライセンスについてSymbolの無線ネットワーク製品担当副社長Ray Martino氏は「通信の収斂は現実のものであり、音声とデータを扱う能力を持ちながら同時に音声品質を確実なものにするというニーズが業界内に存在する」とコメントした。
SpectraLinkやSymbolが販売している無線LAN携帯電話は、大規模な倉庫など一般の電話を引くことが難しく、またコードレス電話などに不都合が生じうる場所などで使われている。
◎関連記事
■無線LANによる音声通話に普及の兆し、安価な実装が普及の鍵
(2002/5/9)
[Reported by taiga@scientist.com]