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http://www.ibm.com/news/jp/2002/05/05131.html
日本IBM株式会社と東京都三鷹市は、共同で同市内の全小学校15校において小学校や家庭をネットワークで繋ぐ計画「三鷹市学校・家庭・地域連携教育プロジェクト」を展開すると発表した。既に両者は、2001年より同市内の4校において試験的に同プロジェクトを運営しており、今回はこのプロジェクトを同市内全校に広げて本格展開を開始する。期間は2004年4月までの予定だ。
このプロジェクトは、米IBMが世界的に展開している、教育改善のための社会貢献プログラムの一環として、三鷹市教育委員会と共同で実施するもの。米IBMと三鷹市がそれぞれ、75万ドル程度の出資をする。
具体的には、IBMがeラーニングソフトウェア「ロータス ラーニングスペース」などの提供や、教員や保護者の教育等を行ない、三鷹市が学校のPC購入などのインフラ部分の提供を行なう。
家庭のPCや月々の通信使用料金は保護者等が負担しなければならないが、システム利用料などは無料で利用可能となっている。現在は、eラーニングの実施や、クラス内で自分のWebサイトの制作・運営、動画配信による遠隔授業参観などが行なわれているという。
これらは、各自にIDとパスワードが配布され、コンテンツやサービス単位で閲覧者等の管理が行なわれている。このため、クラス内だけで自分のWebサイトを公開したり、インターネット上への公開の設定なども可能だ。今後はこれを応用して、学校と家庭の専用ページを利用して、教師と保護者の個人面談や相談などの実施も検討しているという。
今回の計画で特徴的なのは、「メンター」の存在だ。メンターは、ボランティアで地域に密着した教育の協力などを行なう支援者。学校単位で存在し、元スポーツ選手や会社経営者、農業従事者など「地域の物知りおじさん的といえる(日本IBM広報室)」存在だ。現在、三鷹市では、100人以上のメンターが登録されており、教師が授業で使用する教材準備をメンターが支援するなどの、学校と地域社会との協力体制が生まれたという。
実際に2001年に実施した試験プロジェクトの際には、三鷹市立第四小学校にて、ピーナッツ栽培を題材とした「総合的な学習」が行なわれ、その際、農業栽培に詳しいメンターがメールや実地などでアドバイスを行なったという。
日本IBMは「今回のネットワーク構築やメンターなどとの協力により、より一層の『地域に根付いた教育』を目指す。今回三鷹市と協力することになったのは、三鷹市が80年代から『情報都市モデル地域』に選定されたり、1997年には教育センターと市立の全小・中学校をイントラネットで接続するなど、インターネット教育等に非常に熱心であったからだ。今後は当社としても、更なる地域と協力できる教育現場作りに協力していきたい」と語った。
(2002/5/13)
[Reported by otsu-j@impress.co.jp]