【コンテンツ流通】

インターネットで作品を無料交換可能にする「Creative Commons」が設立

■URL
http://creativecommons.org/news/may16.html


Creative Commonsによる検索結果のサンプル

 スタンフォード大学などが共同で、非営利のインターネット作品交換所「Creative Commons」を設立した。スタンフォード大学の教授でCreative Commonsを務めるLawrence Lessig氏が16日、O'Reilly主催の会議でその概要を発表。クリエーターが容易に著作権管理を行なえる無料ツールを提供し、ユーザーがこれらの作品を無料で交換可能になることを目指している。

 Lessig氏は「このツールは、アーティストや作家が著作権の一部または全てを、無料で利用交換可能にするものだ。例えば、アーティストが音楽を非商用目的に限り利用可能にしたり、あるいは著作権を維持したまま提供したい場合、アーティストの意思をマシンが判読できる形式で添付する。コンピューターが作家のライセンス条件を識別して理解することで、ユーザーがこれらの作品を簡単に検索、共有できるようになる」と説明している。

 Creative Commonsは、ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学、スタンフォード大学など、さまざまな学術機関が共同で設立。別に開催された発表会では、執行理事を務めるMolly Van Houweling氏や技術アーキテクトのLisa Rein氏が、学者やアーティストなどが自身の作品を複製や修正、再配信するために提供するのに役立つ、Webベースのアプリケーションを披露した。

 作家やアーティストはこのツールを用いて、先品をパブリックドメインとして提供するか、著作権は維持するが再利用できるよう選択できる。例えば、イラストレーターが作品を多くの人に見てもらいたい場合、作品を自由に複製して配信できるという条件を選択すれば、その作品は非商用目的に限り無制限に複製可能となる。

 Van Houweling氏は「我々の目的は、オンラインで生の素材の量を増やすことに加え、これらの素材により安く簡単にアクセスできるようにすること。これを実現するため、Creative Commonsでは作品に関するアーティストの意思をメタデータに変換し、無料で修正したり再利用できる写真や、複製、配信できるテキスト、使用制限のないサンプルをユーザーがインターネットで見いだせるようにする」と説明している。

(2002/5/20)

[Reported by hiro@nakajima-gumi.net]

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