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米Centilliumアクセス・ビジネス・ユニットのDori Braunマーケティング担当副社長(上)。「eXtreamReachにより、1収容局あたりのサービスエリアを50%拡大できる」と説明する(下) |
米Centillium Communicationsは22日、ADSLの新技術「eXtreamDSL」を日本市場に投入したと発表した。G.992.1(G.dmt)AnnexCに完全準拠しながらアルゴリズムの最適化を図ることで、通信の高速化と長距離化を実現する。現在、国内のモデムメーカーが対応チップセットを搭載した製品を開発中だとしており、9月から10月にもeXtreamDSLのADSLモデムが出荷される見込みだ。
今回日本市場に投入されるのは、eXtreamDSL技術の中の「eXtreamRate」と「eXtreamReach」という2つの機能。これらにより、収容局から1.6km以内で最大速度を10Mbpsに引き上げるとともに、8Mbpsなら2.3kmまで、1.5Mbpsなら4.1kmまで到達距離を拡大。さらに限界距離の面でも、これまでは5.5kmで320kbpsだったところを、200kbpsながらも7.0kmにまで引き延ばすことができるとしている。
Centilliumは1997年4月に設立された通信チップセットメーカーで、翌1998年10月には世界で初めてG.992.1 AnnexC準拠の製品を発売している。NECや住友電工がCentilliumからチップセットの供給を受けており、東西NTTやイー・アクセスがこれらのADSLソリューションを採用している。
このうちイー・アクセスでは今月8日、近距離ユーザー向けに最大速度が8Mbps以上の新サービスを提供することを発表しているが、夏に実験を開始し、秋から商用化というスケジュールから判断すると、eXtreamRateとは別の技術によるものと思われる。
もちろん、将来的にeXtreamDSL対応のADSLソリューションを採用することは十分に考えられる。イー・アクセスでは「eXtreamDSLは、高速化の切り札というよりも、長距離化をフィーチャーした技術」と位置づけており、導入する方向で検討しているという。Yahoo! BBがReachDSL、アッカ・ネットワークスがAnnexC拡張版で一足早く長距離ユーザー対策に乗り出してきている中、イー・アクセスがeXtreamDSLを採用してくる可能性は高そうだ。
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(2002/5/22)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]