【裁判】

米連邦地裁、類似ドメインを悪用して広告表示した被告に違法行為中止命令

■URL
http://www.ftc.gov/opa/2002/05/cupcake.htm

 米連邦地裁は24日、合法的なドメイン名と類似した5,500件ものドメイン名を使ってユーザーを自身のWebサイトに誘い込み、多数のアダルトサイトの広告をユーザーに表示したとして訴えられたJohn Zuccarini被告に対し、このような違法行為を中止するよう命じた。原告側の米連邦取引委員会(FTC)が明らかにした。さらに地裁は被告に対し、第三者の広告を表示することを禁止したほか、不正手段で得た180万ドルを返還するよう命じた。

 FTCは2001年10月、スペルミスしがちなドメイン名や語句を入れ替えたドメイン名、単語や成句を反転したドメイン名を登録したとしてZuccarini被告を提訴。同氏は、例えば、人気の高いマンガサイトwww.cartoonnetwork.comに類似した15件のドメインや、ポップシンガーBritney Spearsに類似した41件のドメインを登録していた。

 ユーザーがドメイン名をスペルミスすると、これらのサイトに誘導され、ギャンブルやポルノに関連する商品やサービスのポップアップ広告が表示されるようになっていた。ある場合には、ユーザーがアクセスしようとした合法的なサイトが表示される場合もあり、ユーザーはそれらの広告が合法的なサイトによって表示されているものと考えたという。また、ユーザーが被告のサイトに一旦アクセスすると、抜け出すことが非常に困難だったという。「mousetrapping」と呼ばれるコードを使って、ユーザーがブラウザーの「閉じる」ボタンをクリックしたり、「戻る」ボタンをクリックすると、新しいウィンドウが開くようにしていた。FTCは、このような行為は不正かつ人を欺くもので、連邦法に違反すると訴えていた。

 地裁は被告に対し、いかなるWebサイトやWebページにおいても、商品やサービスの広告やプロモーション、販売、提供に関して、ユーザーをリダイレクトして妨害することを禁止した。さらに、被告が地裁の命令を遵守しているかどうかをFTCが監視するために必要な記録を取るよう命じている。

(2002/5/27)

[Reported by hiro@nakajima-gumi.net]

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