■URL
http://www.ventureone.com/ii/Europe1Q02.pdf
米VentureOneおよび米Ernst & Youngは、2002年第一四半期の欧州におけるベンチャーキャピタル(VC)投資に関する調査を発表した。調査結果によると、同四半期の投資額は約12億ユーロと、前年同期の約3分の1となったことが明らかになった。また、同四半期中に成立した案件は、前年同期の401件から259件へと急減した。
今回のVC急減は、全体として欧州におけるIT不況を反映しているが、国ごとにかなり温度差があるようだ。例えば、独では、前年同期比76%減で1億620万ユーロとなっている(独での急減は、前年同期に大型の案件が多かったことにも起因する)。スウェーデンでも前年同期比で64%減。この他、ベルギー、スペイン、アイルランドなどでも減少した。一方、仏では、前年同期比で24%増で2億4,200万ユーロとなった。仏では、ソフトウェア、通信、バイオ医薬などの分野でVCが増えている。“欧州のVC大国”英国でも2%増の4億4,620万ユーロと堅調であった。
VCの投資先にも変化が現れている。「シーズ」と呼ばれるベンチャー立ち上げ段階や、その直後のベンチャー設立段階への投資は、2000年第一四半期には71%を占めていたが、2年後の今期は33%に急減した。これは、ここ2年内に設立されたベンチャーが追加融資を受ける段階に来ていることが多いことが理由のようだ。
VCの投資先の分野としては、ITからバイオへのシフトが続いている。ソフトウェア分野への投資が最大で、98件/3億6,580万ユーロとなっているが、前期比で33%減少している。一方のバイオ医薬への投資は、前期比24%の減少ではあるものの、2億7,810万ユーロとなり、今期ついに2番手の投資先分野となった。
(2002/5/27)
[Reported by Gana Hiyoshi]