【海外動向】

仏通信規制局、仏国内におけるインターネット産業の成長をアピール

■URL
http://www.art-telecom.fr/publications/index-d7.htm

 仏通信規制局(ART)は、仏国内におけるインターネットの普及度合いについてのレポート「インターネット、最初の通信簿」で、インターネットが着実に仏国内に根付いていると指摘したことを明らかにした。このレポートはARTの創立5周年を記念して発行されたものだ。

 ARTでは、仏国内におけるインターネット普及のキーポイントとして、接続料の下落、インターネット網・接続手段の多様化、およびインターネットとモバイルとの融合技術の進歩を挙げている。インターネットの接続手段の多様化の波は仏でもここ数年劇的なものがあり、いわゆるブロードバンドと呼ばれるCATVインターネットやDSLなどが急速に普及している。また、無線インターネットも普及の兆候があるが、ARTでは、無線ネットについては一部の専門家向きとしているほか、衛星ネットも普及はまだと評価している。

 モバイルインターネットについては、現在転換期にあり、今後急速に普及するとARTは見ている。欧州ではWAPを利用したネット網が2000年頃から構築されていたがそれほど普及せず、現在では第三世代携帯電話の普及を待っている状態だという。プロバイダーについては、2000年には約300社が営業していたが、その後寡占が進み、現在では5社(AOL、Club-Internet、Free、Tiscali、Wanadoo)でシェア80%を占めるとのこと。

 欧州内での国別比較では、ネット先進国に普及率で劣る。現在38%の普及率は、60%程度を誇る北欧には及ばないことに加え、オランダ、独、英、ベルギー、イタリアなどにも後塵を拝し、欧州内で8位にとどまっている。ネット普及が遅れた原因としては、仏独自のネットワーク網である「ミニテル」の存在が大きい。

 ネット接続時間は2001年現在で総計で600億分余り。このうち約90%の550億分がナローバンド接続によるもの。今後はブロードバンドを普及させ、現状ではFrance telecomが独占しているADSL網などを開放させていくと同時にブロードバンドの料金も競争により引き下げることを狙っている。

(2002/6/11)

[Reported by Gana Hiyoshi]

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