【通信業界】

~リンク速度8Mbpsを出せているユーザーが対象。秋には最大12Mbpsのサービスも

ACCA、最大10MbpsのADSLサービスを7月中旬より提供開始

■URL
http://www.acca.ne.jp/release/020614.html

 株式会社アッカ・ネットワークス(以下、ACCA)は14日、現在提供している最大8MbpsのADSLサービスを最大10Mbpsへと増速させることが可能なファームウェアの提供を7月中旬より無償で開始すると発表した。

 今回の下り速度最大10Mbpsを実現するADSLサービスは、G.dmtに準拠した技術「S=1/2」による下り速度の拡張オプションを利用することによって可能となるもの。この拡張オプションに対応した新ファームウェアをNTT局舎内設備とユーザー宅内モデムに導入することにより実現する。
 ACCAは、現在8MbpsのADSLサービスを提供している534のNTT局舎のうち、7月中旬より東京23区内のサービスエリアにて10Mbps対応作業を行ない、9月末までに534局舎全てで対応するという。これに伴い、ユーザー向け新ファームウェアも7月中旬より提供を開始する。10Mbps対応ADSLサービスの対象となるのは、現在提供している全てのISPやユーザーが対象になるが、実際にこのファームウェアを導入することにより増速が見込まれるのは、現在の8Mbpsサービスにて下りのリンク速度(ユーザー宅内のモデムからNTT局舎のDSLAMまでの伝送速度)が8Mbps、または損失が24dB(収容局から2km以内が目安)を下回るユーザーだという。
 また、今回のファームウェアは、ACCAがレンタル形式で提供している富士通製のモデムが対象となっており、その他の推奨・認定モデムに関しては、各モデムメーカーから「S=1/2」に対応したファームウェアが提供される予定だ。




取締役 営業・マーケティング本部長の鴨下隆一氏(左)と副社長の池田佳和氏(右)

 14日に開催された発表会では、取締役 営業・マーケティング本部長の鴨下隆一氏が「ファームウェアのバージョンアップだけで速度を向上させた通信サービスは今までになかった」と自信を見せた。また提携先のISPとも話し合った結果、10Mbpsは8Mbpsと同じサービスとして位置づけるとして、追加料金は徴収しない方針だという。発表会で行なわれたデモンストレーションでは、現状の8Mbps対応ファームウェアではスループットが6.79Mbps、10Mbps対応ファームウェアでは8.54Mbpsとなり、速度の向上がアピールされた。

 さらにACCAでは、今回の最大10Mbps対応ADSLサービスに引き続き、今秋からはエコーキャンセラ技術(仮称「C.x」)による伝送限界距離の長距離化と、全体的なリンク速度の向上を実現する予定だという。これにより「下りの最大速度約12Mbps、最大伝送距離約7Km(線路長)、かつ約500kbps速度上乗せを実現できるサービス」を提供するとのこと。また、12Mbpsサービスでは、収容局側もユーザー側もADSLモデムを交換するなどの事情から、新しいサービスとして位置づける予定だという。増速の幅が小さいことから「8Mbpsを開始したときほどの移行は期待しない」としたものの「これまでサービスの提供が難しかった収容局から4km以上のユーザーと、スループットの低いユーザーには歓迎されるサービスとなるだろう」(副社長の池田佳和氏)とした。

 また、将来的な予定として12Mbps以上のサービスについても触れ「ADSLの高速化は12Mbpsで終わりではなく、拡張の余地はまだある」として前向きに進めていくことを明らかにした。


 
ACCAで実施した実験の結果。10Mbpsのサービスでは、収容局から約2km以下のユーザーは増速が見込める。   最大8Mbps(上)と最大10Mbps(下)のADSLモデムの速度比較(発表会会場で行なわれたデモより)

 

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(2002/6/14)

[Reported by otsu-j@impress.co.jp / adachi@impress.co.jp]

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