【業界動向】

サーチエンジンAlltheWebのインデックスがGoogleを僅差で抜く

■URL
http://www.fastsearch.com/press/press_display.asp?pr_rel=137
http://www.alltheweb.com/

 検索技術開発企業のノルウェーのFast Search & Transfer社(FAST)は17日、FASTが運営しているサーチエンジン「AlltheWeb」が検索可能なWebページの数が約21億ページに達し、シェア一位を誇るGoogleを6月16日の時点で約2,215万ページ差で抜いたことを発表した。サーチエンジン各社は“世界最大”の称号を巡って激しい技術競争を繰り広げており、今回は一旦AlltheWebが世界最大になったことになる。

 FASTは、AlltheWebを世界で最も優れたサーチエンジンにしようとさまざまな努力を重ねてきている。例えば、同社独自の技術を使ってインデックスに含まれているすべてのページを7~11日間隔で完全に更新する。Googleのインデックス更新頻度については公開された正式な資料はないが、研究者や評論家が評価した結果、利用者の不便になるほど遅くはないものの、FASTほど速くはないと考えられている。逆にGoogleはニュースやWeblogなど一部のサイトをリアルタイムに更新することにより実質的な利用者の便宜を図っている。

 また、AlltheWebは今回の発表に合わせてトップページのデザインを一新し、MP3や動画ファイルなどのマルチメディアファイルのほか、PDFファイルの検索も可能にした。すでにGoogleではさまざまな拡張子のファイルをオプションとして検索できるようにしているが、こうした付加的な機能も、AlltheWebはGoogleに追いついてきたといえる。

 検索結果については、多くの評論家が利用実感としてAlltheWebとGoogleでは検索結果が大幅に異なるとの結果が出ている。これは採用しているアルゴリズムの違いによるものだと考えられるが、ユーザー側からすると両方利用することで、現在のインターネットの大きさを反映した最善の検索結果を得られるだろう。

 AlltheWebは、現在スペインに本拠を置くTerra Lycos、独T-Online、Infospaceなどのポータルサイトで採用されている。また、FASTではAlltheWebを検索技術の“実演場”と位置付けており、インターネットだけでなく企業のイントラネット上にある膨大なデータを検索するアルゴリズムの検討にも余念がない。AlltheWebで開発されたノウハウに裏打ちされた企業向け検索システムは、現在eBay、IBM、Reuterなど多数の企業が採用しており、スケーラビリティーが高く評価されている。

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(2002/6/18)

[Reported by taiga@scientist.com]

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