【規格】

米On2の動画圧縮技術「VP3」とフリーの音声圧縮技術「Vorbis」が統合

■URL
http://www.on2.com/pressreleases.php3?qs1=vp3_combines_with_vorbis
http://www.xiph.org/ogg/vorbis/
http://www.vp3.com/on2/pressreleases/release_062402_vorbis.shtml

 動画圧縮技術の米On2 Technologiesは24日、オープンソースの音声圧縮技術「Vorbis」を開発するXiph.Org Foundationが、On2の動画圧縮技術「VP3」をサポート/配布/開発する主要組織となることで合意したと発表した。さらにOn2の支援の下、Vorbisを含む「Ogg Multimedia Framework」にVP3を統合し、有料の動画圧縮規格「MPEG-4」に代わる、オープンソースで著作権使用料が不要の技術を提供するとしている。

 On2のVP3は、低ビットレートで高画質の動画圧縮を実現する、オープンソースの技術。同社は新版の「VP4」と「VP5」を製品として提供する一方で、同技術の認知度を高めるため、旧版のVP3をオープンソースとして無償提供している。一方のVorbisは、Xiph.Orgが提供するOggマルチメディア圧縮フォーマットの第一弾で、オープンソースで著作権使用料が不要な音声圧縮技術。MP3に代わる選択肢として、注目されている。

 Xiph.Orgとの提携について、On2のDouglas A. McIntyre社長兼CEOは「これは、オープンソースコミュニティが利用可能な、初めての完全なマルチメディアプラットフォームになる」とアピールし、「これにより、MPEG-4イニシアティブを悩ませている、マルチメディア作品の著作権使用料が無料となる」とコメントしている。

 MPEG-4は動画圧縮形式の標準規格だが、そのライセンス管理団体であるMPEG LAがデコーダーやエンコーダーに加え、コンテンツに対しても再生時間に応じてライセンス料金を徴収するという方式を提案したことから、市場の成長を阻害するものとして、On2やAppleが異議を唱えている。このような状況の中で、音声および動画圧縮に対応するオープンソースのプラットフォームを開発することで、On2は同社の認知度を高めるとともに技術の拡大を図る。

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(2002/6/25)

[Reported by 江藤浩幸]

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