【業界動向】

Vinton Cerf氏、スパムを懸念~米国でスパム対策のワークショップ開催

■URL
http://www.gip.org/publications/papers/Spam061802.asp

 インターネット関連の国際組織「Global Internet Project」(GIP)が主催による「スパム対策」をテーマとしたワークショップが、米バージニア州アーリントンで開催された。このワークショップには、政府や大学、企業などからの参加者があり、詐欺的なスパム増加への懸念が表明された。

 米WorldComのVinton Cerf副社長は「コンピューターの高速化やブロードバンドの普及など、技術が急速に発展している時代に、スパムは問題を増やすだけでなく、インターネットの信頼性や利用に対する最も深刻な脅威だ」と懸念を表明。さらに「帯域の増加により、ISPや企業、個人ユーザーレベルでも、スパムのコストや害は平凡化している。スパム発信者は常に最新の技術を利用して到達範囲を広げており、将来的には高解像度の動画や画像による巨大な容量の爆撃を受ける可能性もある。技術の発展により、スパムのマイナス影響も必ず増大する」と警告している。

 スパム排除ツール大手の米Brightmailによると、2001年5月から2002年5月の1年間に、スパムは600%も増加しており、現在ではメール全体の27%がスパムに分類されると見積もっている。また、市場調査会社のeMarketerによると、2003年には世界で760億通のスパムが発信され、スパム1通当たりの発信コストは0.00032セントに下がると見積もっている。

 さらにスパムは、日本のiモードや欧州のSMSメッセージングサービスなど、携帯電話にとっても深刻な問題となっている。このようなスパムにより、ユーザーがコストを負担するだけでなく、煩わしいものとなっている。

 ワークショップでは、スパムを完全に排除することはできないが、経済や個人の生産性に及ぼすマイナス影響を最小にするために、一連の調査に取り組む必要があるとの強い同意が得られている。

(2002/6/26)

[Reported by 江藤浩幸]

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