■URL
http://www.eurokartensysteme.de/presse/servicecenter/pressemitteilungen/pressemitteilungen-19-06-02/
http://www.eurocard.de/
独大手クレジットカードシステムのEURO Kartensystemeは、6月末で中小オンラインショップとのクレジットカードの取り扱いを停止すると発表した。これは、2002年4月16日にあった独最高裁の判決を受けた措置。この判決には、EUROが発行する Eurocard(Master Cardと提携)、Visa、American Express、Dinersなどが関係しており、影響は独国全体に及んでいる。
独最高裁は4月、クレジットカードでの商行為に関する判断を変更し、これまで、詐欺事件などの場合、カード保有者が一定金額に責任を持ち、それを超えるとオンラインショッピング会社が責任を負うとしていたものを、クレジットカード会社に責任があるものとした。これにより、例えば、カード詐欺などの処理のためにオンラインショッピングでの商品売買契約が取り消された場合、発生した損害については、クレジットカード会社が損害賠償などの責任を負うことになっている。
独では、クレジットカードの詐欺行為などによる「誤用」がすでにカード利用の13%に上るとのデータもあり、市場経済に占める割合もかなりのものとなっている。カードでの支払総額は100億ユーロ規模で、ネットおよび電話での利用はまだ0.1%程度であるが、額にすると1,000万ユーロ規模と、すでに相当の負担となっている。ネットや電話でのクレジットカード利用では、対面販売とは異なりカードの実物を提示し、署名するといった行為が必要ではない。従って、誤用の温床となっているとの指摘もあった。
今回、EURO Kartensystemeがネットおよび電話での利用停止を発表したことにより、同社と提携してEurocardを発行している銀行提携カードにも影響が及ぶことは必至。Eurocard は、独で総計で1,900万人の会員を擁しているが、特にオンラインショッピング運営会社は、今回利用停止の対象となった中小規模の企業が多いだけに、電子商取引に与える影響は無視できないものと見られる。
(2002/6/27)
[Reported by Gana Hiyoshi]