【業界動向 / 規格】

MPEG-4ビデオ技術のライセンス団体、最終ライセンス条件を合意

■URL
http://www.mpegla.com/news/n_02-07-15_m4v.html
http://www.apple.com/quicktime/download/

 MPEG-4ビデオ圧縮技術の特許ライセンス管理団体「MPEG LA」は15日、米サンフランシスコで6月25日~26日に開催された会合で、MPEG-4ビデオ特許の最終的なライセンス条件について合意したと発表した。同団体は正式なライセンスを9月に発行する予定だ。

 MPEG LAは2002年1月、MPEG-4ビデオ関連機器やソフトウェアなどの製品に加え、コンテンツに対しても再生時間に応じてライセンス料を徴収する方式を提案。これに対し、コンテンツ市場の発展を阻害するとして、米AppleやOn2 Technologiesなどが反対するなど、論争を呼んでいた。このようなライセンス条件について、MPEG LAは特許保有会社と協議を続け、再検討するとしていた。

 最終的なライセンス条件では、MPEG-4ビデオ関連製品に加え、サービスについてはコンテンツ事業者やサービス事業者が収入を得た場合にのみライセンス料を徴収する。また、さまざまなビジネスモデルにおいてMPEG-4ビデオ技術の普及を促進するため、

(a)1年間のライセンス料に適切な制限を設ける
(b)
ライセンス料の報告を必要としないオプションを設ける
(c)
少数の配布についてはライセンス料を徴収しない
(d)
ライセンス先のビジネスモデルに合ったオプションを用意する

といった規定を設けた。さらに、今後半年間にライセンス契約を結んだ団体に対しては、2000年1月1日から2003年12月31日までに販売した製品についてライセンス料を徴収しない。

 MPEG LAはこれらのライセンス条件を、CATV、インターネットやモバイル、パッケージビデオの3つの異なるビジネスモデルに応じて適用する。インターネットやモバイルの場合には、年額料金の上限設定と少数配布の無料使用条件を適用。デコーダーとエンコーダーの製造およびや販売に対しては、1製品当たり0.25ドル、年額料金の上限を100万ドルのライセンス料を徴収。ただし、1年間に最初の5万個までの製品についてはライセンス料を徴収しない。また、デコーダーとエンコーダーの使用に対しては、加入者1人当たり年間0.25ドルか、再生時間に応じて1分間に0.000333ドルのライセンス料を徴収。ただし、法人当たりの年額料金の上限を100万ドルとし、1年間に最初の5万人までの加入者についてはライセンス料を徴収しない。

 MPEG LAが、当初のライセンス案とは異なり、無料サービスや少数配布からはライセンス料金を徴収しないとの最終ライセンス条件を合意したことを受け、米Appleは同日、MPEG-4ビデオに対応する「QuickTime 6」英語版を正式リリースした。

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(2002/7/16)

[Reported by 江藤浩幸]

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