【業界動向】

米市民団体が草の根無線LANコミュニティーを支援するISPのリストを公表

■URL
http://www.eff.org/Infra/Wireless_cellular_radio/wireless_friendly_isp_list.html
http://www.eff.org/Infra/Wireless_cellular_radio/20020725_eff_wireless_pr.html

 米市民団体Electronic Frontier Foundation(EFF)は25日、米国で無線LANアクセスポイントを共有することを許容しているISPのリストをインターネット上で公開した。

 米国の幾つかの都市部では安価な無線LANアクセスポイントを家庭に設置し、インターネット接続を近所の人々と共有することによって無線LANの草の根コミュニティーを形成している地域がある。これは全くボランティア的な行動であるが、EFFの上級知的財産弁護士Fred von Lohmann氏は「ニューヨークのTime Warner Cable社のように過激なサービス利用規約を設けて顧客が無線LANアクセス共有を行なった場合に訴えられるようにするところが出てきている」と指摘する。こうした制約を課すISPの言い分としては、契約した顧客のためにバックボーンの増強などサービスの提供しているのであり、費用を負担していない第三者がそのサービスを利用することは本来の顧客の権利を阻害するものだという見解があると考えられている。

 これに対してEFFではこうした草の根の無線LANコミュニティーはインターネットサービスを民主化し、デジタルディバイドの解消に貢献し、その地域を旅行する人々にインターネット接続を提供するメリットがあると主張する。また米国で発生した同時多発テロ事件のときのようにアマチュア無線家が緊急ネットワークのバックアップを図ったのと同様に、何らかの非常事態が発生した際に草の根無線LANネットワークが被害の防波堤になるとも指摘する。

 EFFは、無線LANによるインターネット接続共有を容認しているISPのリストの公表に踏み切ったが、これについてLohmann氏は「我々は人々がISPを選んだり、サービスを提供する業者を見つけけたりするときに十分に情報を得た上で決定できるようにしている」と理由を説明した。

(2002/7/26)

[Reported by taiga@scientist.com]

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