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パナソニックセンター外観。右手奥の白い屋根は「国際展示場前駅」。「パナソニックセンター有明スタジオ」はこの建物左手に隣接している。 |
松下電器産業株式会社と吉本興業株式会社は1日、ブロードバンド向け双方向コンテンツ配信サービスの開発に関する共同実験プロジェクトを発表した。両社は「放送・通信・ライブエンタテインメントの融合による新しい参加型の双方向サービス」を目指すとしている。
両社による共同プロジェクトは、東京都江東区に9月14日にオープンする松下電器の総合情報寿発信施設「パナソニックセンター」内のスタジオ「パナソニックセンター有明スタジオ」を拠点として進められる。スタジオは、番組収録やブロードバンド向け配信が可能となっており、そこで提供される松下電器の技術と、エンタテインメント分野での実績を持つ吉本興業の強みを組み合わせることで、新たな双方向サービスを開発しようというのがプロジェクトの狙いだ。なおプロジェクトには、エイベックス株式会社、株式会社電通らの参加も予定されている。
プロジェクトのサービス例としては「地域ITホール向け、多地点双方向エンタテインメント」が挙げられている。これは、有明スタジオで収録した講演会の模様を各地のIT対応ホールに向け配信しようというもの。ここでは、「追っかけ再生」による配信で、多くの人々とのコミュニケーションするための「時間」と、出演者の「スケジュールの問題」を解決できるという。具体的には、例えば講演会のタイムスケジュールを「講演1時間+10分の質問コーナー」に設定したとすると、スタジオから各地への中継を10分づつずらして配信する。これにより各地の観客側は、講演が終わると同時に「質問コーナー」に突入するためタイムラグなしに講演会を楽しめる、一方の講演者は1度の講演で各地の観客を対象にできるという利点がある(ただし、講演の後は10分間の質問コーナーが配信箇所分続くことになる)。両社では、この「追っかけ再生」による双方向サービスについて共同で特許を出願中とのこと。
この多地点双方向エンタテインメント実証実験については、岡山県岡山市の「3丁目劇場」「ママカリフォーラム」が2003年から参加予定。また、東京都杉並区「セシオン杉並」、群馬県大泉町「大泉町文化むらホール」が先行サービスの利用を検討しているとのこと。
松下、吉本の両社では、今後、地域自治体を始めホール関連事業者、教育、福祉関連施設、通信事業者、コンテンツ関連企業などに実験プロジェクトへの参加を呼びかけていく。
(2002/8/1)
[Reported by okiyama@impress.co.jp]