【海外動向】

独の業界団体BITKOM、独著作権法をネット時代に合わせて改正すべきと提言

■URL
http://www.bitkom.org/

 SIEMENSやDeutsche Telekomなど独主要情報通信企業1,300社余が参画する業界団体「情報経済・通信・新メディア連盟(BITKOM)」は、独連邦政府内閣が画策する著作権法の改正について「ネット時代に対応した形で改正すべき」と提言していたことが明らかになった。

 独連邦政府はこのほど、複製権などについての著作権者の権利を強化する著作権法の改正を発表したが、原則は変えなかった。すなわち、この案では、アナログ的な著作権に適用される著作権料の考え方をデジタルの著作権に一括して適用するとなっている。

 しかし、例えば、複製という概念は、アナログ著作物とデジタル著作物では異なる。アナログ著作物では複製は必ずといっていいほど質が劣化するが、デジタル著作物ではむしろ質が保持されることから、アナログ著作物に関する複製料をデジタル著作物に適用した場合、デジタル著作物の著作者は必ずといっていいほどアナログ著作物に比較して損になる計算となる。一度複製をすれば、その複製物から同じ品質の複製を作成することが可能となるからだ

 また、私的利用の概念も異なってくる。特にネット上では、複製物が私的利用目的のみといえるケースはほとんどない。従って、コピー、パソコンなどの複製を行なうことができる機器についての法的規制、または物理的規制(機能の限定)なども行なう必要があることが指摘された。

 このような状況を考慮すると、デジタル著作物については、特にネットでの著作活動を考慮した上で、新たに「デジタル著作権」といった新概念を構築すべきであるとBITKOMは指摘。さらに、独IT産業の遅れを取り戻し産業競争力をつけるためにもこの作業を早急にまとめるべきとも提言した。

(2002/8/6)

[Reported by Gana Hiyoshi]

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