【コンテンツ配信】

音楽配信サービスの「レーベルゲート」が採用

ソニー、著作権管理・配信技術「OpenMG X」を開発
~AV機器に直接コンテンツ配信

■URL
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200208/02-035/
http://www.labelgate.com/MQ/

 ソニー株式会社は7日、デジタルコンテンツ著作権管理・配信技術「OpenMG X」の開発を発表した。これは従来から提供している「OpenMG」の機能を拡張し、AV機器や携帯機器などPC以外の端末への配信を強化したものになる。また、株式会社レーベルゲートがOpenMG Xに対応した音楽配信サービスを開始することも併せて発表された。

 OpenMG Xの最大の特徴は、さまざまな端末へのコンテンツ配信機能だ。従来のOpenMGでは、PCやメモリースティック対応機器、さらにNet MD対応機器へと、対象となる端末を増加させてきたが、OpenMG Xでは、家庭用ゲーム機「PlayStation2(PS2)」やAV機器、携帯端末などにも対象を拡げる。ユーザー側から見て、オンラインで入手した楽曲を再生できる端末が増える、また、将来的にはネットワークに対応したAV機器でPCを介さずに直接コンテンツを購入できるといったメリットがある。一方のコンテンツ配信事業者側は、ユーザーが使う端末機器の利用条件を設定できる機能により、コンテンツの流通を一環して管理できるというメリットがある。

 なお、OpenMG Xは、「配信側で再生期間や回数などの著作権管理情報をコンテンツに付与して暗号化するモジュール」、「各コンテンツの著作権管理情報をユーザーへ配信するモジュール」「OpenMG X対応アプリケーションソフトを開発するためのクライアントモジュール」の3点のソフトウェアモジュールから構成されている。今回、このうちクライアントモジュールを応用したPC用音楽再生ソフト「MAGIQLIP(マジクリップ)」も発表された。


コンテンツ再生中の「MAGIQLIP」

 OpenMG Xを採用したサービスの第一号となるレーベルゲートでは、配信方式「レーベルゲートMQ方式」として8月中に有料の配信サービスを開始する。すでに再生ソフトMAGIQLIP(Windows版のみ)の提供を開始しているほか、ビクターエンタテインメントとソニー・ミュージックエンタテインメントでは、MAGIQLIPに対応した新譜タイトルの試聴用楽曲を無料配信している。レーベルゲートでは、従来よりIBMの配信方式「MediaDirect」に対応した再生ソフト「Madison Player」を提供していたが、今後は順次、OpenMG XとMAGIQLIPによる配信方式に切り替えていく。また、前述2社のほか、エイベックス、キングレコードなど、レーベルゲートに参加している大手レコード会社の配信サイトでも順次レーベルゲートMQ方式に対応していく予定とのこと。なお、これまでに購入したMadison Player向けの楽曲をMAGIQLIPで再生することは可能だ。

 今後のOpenMG X関連サービスとしては、米Sony Music EntertainmentとUniversal Music Groupとの合弁事業である「pressplay」が採用を検討中。ソニーでは、OpenMG Xを「コンテンツ配信サービスを実現する開かれたプラットフォーム技術」と位置づけ、ハードウェアメーカー、コンテンツベンダーなどへのライセンス提供を検討しているとのこと。

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(2002/8/7)

[Reported by okiyama@impress.co.jp]

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