【音楽配信】

RIAA、インターネットラジオの著作権使用料率について裁判所に申し立て

■URL
http://www.riaa.com/PR_story.cfm?id=542

 米レコード協会(RIAA)は7日、米著作権庁が6月20日に決定した、インターネットラジオ放送事業への著作権使用料率を不服として、裁判所に申し立てを行なう意向を明らかにした。RIAAでは「米Yahoo!に対処するためという著作権庁の考えは間違っており、レコード会社やRIAAがWeb放送事業者などと結んだ140のライセンス契約を投げ出している」と非難している。

 インターネットラジオ放送の著作権使用料率については、著作権庁の著作権仲裁使用料委員会(CARP)が当初、インターネット単独の配信では、1ユーザーに1曲配信するたびに0.14セントの使用料を徴収することを提案。しかし、著作権庁はCARP案を却下し、最終的にその半額となる0.07セントに設定した。

 RIAAの主張によると、著作権庁の決定は「CARPにおけるYahoo!の証言に騙されたためだ」という。Yahoo!はCARPにおいて、自己の利益を守るため、インターネット単独配信における著作権使用料率を引き下げるよう主張。著作権庁は「他のWeb放送事業者が自社の番組を制作するのとは異なり、Yahoo!のビジネスモデルは独特で、単にAM/FMラジオ放送局や他のWeb放送事業者が制作した番組を提供しているだけだ」と誤って結論付けたとRIAAは訴えている。

 Yahoo!は証言した時点で、既に音楽配信サービスのLaunch.comを買収しており、インターネットラジオへの重要な資源を所有。著作権使用料率を引き下げるため、インターネットラジオ事業について控えめに証言し、著作権庁が使用料率を決定した翌日には、ラジオの再放送事業を終了すると発表したと、RIAAは訴えている。

 さらに、RIAAがこれまで個々に結んだ25のライセンス契約と、各レコード会社が結んだ同様の115のライセンス契約を、著作権庁が無視したと非難。これらの契約を著作権庁が考慮していれば、最終的な著作権使用料率は大幅に上がったはずだと主張している。

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(2002/8/8)

[Reported by 江藤 浩幸]

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