【調査結果】

「学校がネットを十分に使いこなせていない」と米国生徒たち~調査結果

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http://www.pewinternet.org/releases/release.asp?id=48

 「米国の学校の先生はインターネットを十分に使えておらず、生徒がそのためにいらだちを感じている」との調査結果が、Pew Internet&American Life Projectによりで明らかになった。学校のインターネット環境にも改善点が多々あるという。

 この調査は、Pew Internet&American Life ProjectがAmerican Institute for Research(AIR)を通して行なったもの。北米136の中高等学校から14のフォーカスグループに焦点をあてて実施されたほか、200人近くの10代の若者がオンラインによる調査に応じた。

 その結果、生徒はインターネットをバーチャルな教科書や図書館として、また、バーチャルな家庭教師や学習の近道として利用するほか、“バーチャルゼミナール”を開くための場所として、キャリアや進路を決めるためのカウンセラーとして利用していることが浮き彫りになった。こうした状況についてPew Internet&American Life ProjectのディレクターLee Rainie氏は「インターネットに詳しい生徒はインターネットの教育的な資源を利用する点で先生や指導者たちのはるか先を行っている」と指摘した。

 生徒たちがインターネットを積極的に利用しているのに対して、先生が出題するインターネットを使う宿題はレベルが低く示唆に乏しいものであるか、インターネットによる宿題そのものが出ないことすら多いと若者たちは不満を露わにしている。AIRのディレクターであるDouglas Levin氏は「彼らはもっとやりがいがあり自分たちの生活に関係のあるインターネット活動を宿題に出してほしいと思っている」と指摘した。

 また一方で学校におけるインターネット接続の状況が悪いために使いこなせていないことも判明した。AIRのSousan Arafeh氏は「多くの十代の若者が学校の宿題や他の学習のためにインターネットを使っているが、彼らが言うにはインターネットを使うのはおもに学校外の時間、学校外の建物、先生の関与のない場所でのことであるという。明らかにこれは変わらなければならない」と指摘している。

(2002/8/19)

[Reported by 青木 大我 (taiga@scientist.com)]

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