【調査結果】

音楽ファイル交換は2005年にピーク、その後は合法サービス市場拡大
~米調査

■URL
http://www.yankeegroup.com/public/news_releases/news_release_detail.jsp?ID=PressReleases/news_08142002_mes.htm
http://www.forrester.com/ER/Press/Release/0,1769,741,00.html

 米Yankee Groupは14日、KaZaAやMorpheus、LimeWireなどのファイル交換サービスはコンテンツを際限なく無料で利用できるため、交換される音楽ファイルの件数は今後も増え続け、2005年にはピークに達するとの調査報告を発表した。

 これらのファイル交換サービスを通じて、米国で14歳以上のユーザーによって交換された音楽ファイルの件数は、2001年には51億6,000件だが、2005年には74億4,000件にまで増加するが、2007年には合法音楽サービスの影響によって39億件に減少すると予測している。

 これらの予測を基に、合法合法音楽サービスが成功するためには、「5大レコード会社の全てに加えて多数の独立系レコード会社のコンテンツを提供すること」、「ユーザーがダウンロードした楽曲を自由にミックスできることのほか、CD書き込みや複製、サービスを停止しても所有権を維持できるようにすること」、「他の機器でも再生可能にすること」、「ファイル交換サービスとは異なる独自のコンテンツやサービスを提供すること」、「デジタル著作権管理(DRM)機能を無効にすること」などが必要だと提言している。

 また、米Forrester Researchも先週、レコード会社が楽曲の検索や複製、購入を容易にすることで、デジタル音楽市場の成長が回復し、2007年には21億ドル規模に拡大すると予測する調査報告を発表している。

 Forresterの主席アナリストを務めるJosh Bernoff氏は「音楽事業が厳しい時期にあることは間違いないが、それは海賊版音楽のダウンロードのせいではない。1,000人のインターネット利用者を対象にした調査では、デジタル音楽を頻繁に利用するユーザーの中で、CDの購入が減少したという証拠は見られなかった」と分析している。

 さらに「まず、消費者は2~3社のレコード会社ではなく、あらゆるレコード会社の楽曲を検索する権利を要求している。次に、消費者は楽曲をCDに書き込んだり、MP3プレイヤーに転送する権利を望んでいる。さらに、消費者はpressplayやMusicNetなどが提供する加入サービスを通じてではなく、楽曲やアルバムに支払いたいと要求している。我々は、有料音楽サービスが消費者の要求を満たすのに必要なこれらの機能を『Music Bill Of Rights』と呼んでいる」と、Yankeeと同様の提言を行なっている。

 レコード会社は今後2年間、デジタル音楽の有望性を伝えることに苦戦し、「Music Bill of Rights」を満たすことに失敗するため、有料音楽サービス市場は成長しない。しかし、2005年にはレコード会社がサービス契約にCD書き込みやさまざまな機器への転送を許可する条項を盛り込むようになるとともに、あらゆる配信業者でコンテンツを同じ条件で利用可能になる。これにより、2007年には有料音楽サービス市場が音楽事業全体の17%に当たる21億ドルに拡大すると予測している。

(2002/8/19)

[Reported by 江藤 浩幸]

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