航空チケット予約サイト大手の米Orbitzは19日、世界的な航空券予約システムを通さない「中抜き」の直接予約システムを発表した。まずAmerican Airlinesの航空券予約システムと直結して運用を開始する。American Airlinesはこれにより最大で予約コストの77%削減できるという。さらにこれにより利用者の航空券末端価格が値下がりする可能性もある。
通常、航空券は、顧客が旅行代理店を通して申し込みをするときに、世界的な航空券予約システムであるGDS(Global Distribution System)を通して予約される。この際GDSを運営する企業は一つの「セグメント」毎に航空券予約料を徴収し、この費用はハブ空港を通る往復切符の場合4セグメント分の料金が請求されることになっている。
今回Orbitzが発表した「Supplier Link Technology」では、この大手航空券予約システムのGDSを通さず、直接航空会社の予約コンピュータと交渉するため、航空会社はOrbitzに対して一つのチケットあたり定額料金を支払えばよく、セグメント、再予約、キャンセルなどの際に追加料金が発生することがない。これによりAmerican Airlinesはチケット予約費用で77%の経費削減ができると予測されている。
このOrbitzのSupplier Link Technologyには、US Airwaysとその他2社が今年の終わりまでに接続されることになったほか、7つの航空会社がOrbitzと利用契約を結んでいる。
OrbitzはAmerican Airlines、Continental、Delta、Northwest、Unitedの5社により設立された航空券予約サイトで、今回の発表により航空券発券にまつわるビジネスモデルが揺り動かすされる可能性も否定できない。
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(2002/8/20)
[Reported by 青木 大我 (taiga@scientist.com)]