【業界動向 / 裁判】

米AT&T、ブロードバンドサービスの対象地区差別で訴えられる

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 米通信大手のAT&TとCATV部門のAT&T Broadbandが、ブロードバンドサービスの対象地域として少数民族の居住地区を避けていること、および他の地域でも過当な料金を課しているとして、フロリダ州南部地区連邦地裁に集団訴訟を起こされた。原告側を代表する法律事務所の米Gwen Hudson and Cynthia Martinが29日、明らかにした。

 原告側は、AT&T Broadbandがフロリダ州ブロワード群において、ブロードバンドサービスの対象としているアフリカ系米国人の家庭は1%に過ぎないが、白人家庭は100%だと主張。1934年の米連邦通信法(Federal Communications Act)と1996年の電気通信法(Telecommunications Act)では、通信サービスにおける差別行為を禁止しており、AT&Tは人種や収入に関わらず、あらゆる層の地区に平等にサービスを提供する義務があると訴えている。

 また原告側は、AT&Tがサービスに過当な料金を課し、料金に見合ったサービスを提供していないと訴えている。これらの疑いにより、原告側はAT&Tに対し、損害賠償に加え、法律を遵守してブロードバンドサービスを直ちに提供するよう求めている。さらに、AT&Tは10月、米ComcastにAT&T Broadbandを売却する予定だが、AT&Tがこれらの措置を取るまでは、いかなる子会社や系列会社の売却や移管も阻止するよう求めている。

 原告側の訴えに対し、AT&Tは29日に声明を発表。AT&T BroadbandのRick Bailey副社長は「当社は原告側のいかなる主張も否認し、訴訟で徹底的に争う方針だ。我々はこの訴訟がComcastとの合併契約に何の影響も与えないと確信している」とコメントしている。

(2002/9/1)

[Reported by 江藤 浩幸]

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