夏も終わり、早くも9月だ。早いといえば、阪神・淡路大震災が起きたのが1995年1月17日であるから、もう7年半以上も経っている。阪神・淡路大震災の時には、水道・ガス・電気・電話などのライフラインが全て利用できなくなってしまったなか、唯一、公共機関のネットワークが無事に稼働しており、救助活動や報道等に役立ったという。それから7年半経った現在では、災害時に最も役立つのはインターネットかもしれない。そんな希望的観測を含めつつ、「防災週間」ということで、今回は災害対策に役立つサイトを紹介しよう。
○まずは、災害に関する情報を集める
内閣府防災部門
「防災情報のページ」■内閣府防災部門:「防災情報のページ」
http://www.bousai.go.jp/
言わずと知れた、内閣府による防災関連情報を掲載したサイト。、防災白書や総合防災訓練、火山情報など防災に関する情報が網羅されている。また、防災に関する組織や制度など普段あまり触れることが少ない情報も掲載されている。この機会に調べてみるのもよいだろう。■レスキューナウ・ドット・ネット
http://www.rescuenow.net/
危機管理と災害救援を総合的にサポートするというサイト。全国の災害情報を網羅している。「マイレスキュー」では、自分が必要とする災害情報をピックアップして、必要なだけ携帯電話等に配信するサービスを提供している。出先で自宅付近に災害が起きた時でも携帯電話で知ることができるので、迅速な対応が可能だ。■日本気象協会:「tenki.jp」
http://tenki.jp/
日本気象協会による、気象情報のポータル的なサイト。気象情報に関してあらゆる情報が掲載されており、各都市毎に明後日分まで分かりやすく表示されている。また、左上には、「注意報・警報」として地震情報や津波情報、台風情報、火山情報など災害に関する情報がまとめて表示されているので、災害時にも使いやすい設計となっている。■気象庁
http://www.jma.go.jp/JMA_HP/jma/index.html
火山、地震、台風と主な災害についての最新情報が掲載されている気象庁のサイト。最新の気象情報はもちろんのこと、火山情報のほか、観測資料や火山や地震の観測資料も豊富に用意されている。■ウェザーニューズ
http://www.wni.co.jp/cww/index.html
ウェザーニューズによる天気情報を提供するサイト。左側のフレーム部分では、気象情報だけでなく、海水浴情報や紫外線情報、お洗濯指数などさまざまな情報が提供されているので、気象情報を知りたい場合以外でも色々な使い道がある。また、メインフレーム部分では、現在の気象情報を分かりやすく解説しているので、状況を理解しやすい。■日本テレビ「非常時用ホームページ」
http://www.ntv.co.jp/saigai/index.html
日本テレビによる非常時用ホームページ。行政機関や安否情報、気象情報、マスコミなどに区分された「防災関連リンク集」が非常に充実している。■国土地理院
http://www.gsi.go.jp/
国土地理院のサイトでは、東海地方の地殻変動や三宅・神津島関連情報などを閲覧することができる。もちろん、GPS固定点データ提供サービスや閲覧サービスで、日本全国の地図情報を検索することも可能だ。その他の面白い情報では、全国の重力情報などがある。
○地震や雷などの特定の災害に備える
内閣府
富士山の火山防災対策■内閣府:富士山の火山防災対策
http://www.bousai.go.jp/fujisan/
日本一の火山なのに、今までハザードマップが作成されていなかった富士山。現在、内閣府にて策定中で、富士山に関するデータや中間報告などが掲載されている。万が一富士山が噴火した際には、関東一円に被害が広がるといわれているだけに、要チェックなサイトといえるだろう。■国土交通省:「川の災害情報」
http://www.river.go.jp/
国土交通省の管轄である川の災害情報。国土交通省が設置した各地の無人観測所から送られてくるデータを観測後直ちに反映するという特徴があるので、常に最新の情報を得ることができる。サイトでは、雨量・水位やダム放流通知、洪水予報など、川に関する情報や警報が掲載されているので、大河川周辺に住んでいる方は大雨時などに有用となるだろう。■各地の落雷情報
http://www.thunder.ttcn.ne.jp/ (東京電力)
http://www.rikuden.co.jp/hopes/menu.htm (北陸電力)
http://www.tohoku-epco.co.jp/weather/ (東北電力)
PCにとって、最も身近で危険が大きい天災が落雷だ。雷によって、不調になる家電は数知れず、PCの場合最悪HDクラッシュの可能性もある。ここで紹介するサイトで雷情報を収集して、近所で雷が発生している時は雷対策をしていても、電源を抜くのが最善策だろう。■練馬区:防災のページ
http://www.city.nerima.tokyo.jp/ku/bousai/index.html
http://www.nerima-saigai.net/
練馬区による防災ページ。練馬区で大災害が発生した際の避難所や災害用伝言ダイヤルの解説などがされている。特徴的な防災モノモノ図鑑では、避難拠点に備蓄されている災害対策用物品を紹介している。普段見慣れない簡易トイレや防災井戸について、写真付きで詳細に解説しているので、練馬区民でなくても必見だ。■静岡県総合研究機構防災情報研究所ホームページ
http://www.e-quakes.pref.shizuoka.jp/
静岡県総合研究機構防災情報研究所による、東海地震の被害想定に関してのデータや対策などについて掲載しているサイト。対策パンフレットのほか、地震防災クイズなどが用意されている。地震が発生するしくみの解説もわかりやすい。■静岡県防災局
http://www.pref.shizuoka.jp/bousai/
東海地震の震源が近いとされ、また浜岡原発が稼動している静岡県の防災局のサイトだ。原発の最新情報、市町村・丁目ごとの地震被害想定資料などが用意されている。最大の特徴としては、「静岡県防災情報インターネットGIS」のコーナーで、地図上に推定被害の状況を表示することができる点だ。一度自分の住所での、推定被害を表示してみるといいだろう。■原発事故サバイバルハンドブック
http://www.ne.jp/asahi/radiation-disaster/survival/
1999年、茨城県・東海村の原発で「臨界事故」が発生し、職員2名が亡くなった。このサイトでは、被曝をさけるノウハウや、避難の心得などを紹介している。また、J.C.O.敷地内・周辺の放射能濃度のデータや、敦賀2号炉で事故があった場合の人的被害なども掲載されており、原発の危険性が身にしみるサイトとなっている。■日本スペースガード協会
http://www.spaceguard.or.jp/
小惑星などの天体による災害から地球を守るために、そのような天体の発見と監視、研究活動を行なっている団体「日本スペースガード協会」のサイト。「素朴な質問ルーム」では、小惑星が地球に接近、衝突した場合の危険性を解説している。
○防災アイテムを利用する
防災用品専門店
「ショップレスキュー」■防災用品専門店「ショップレスキュー」
http://shop.rescuenow.net/top.html
上記でも紹介したレスキューナウ・ドット・ネットが運営する防災用品専門店がここ「ショップレスキュー」だ。非常食から避難マスクまで防災に関する商品が多数取り揃えられている。面白いのは、缶スプレー形式の消火器やトランジスタメガフォンだ。家に何も用意していない家庭などは、一度覗いてみる価値のあるサイトだ。■MAX-Q:防災グッズ体験レポート
http://homepage2.nifty.com/bosaigoods/
MAX-Qによる、防災グッズ体験レポートを掲載しているサイト。防災グッズをせっかく購入して準備していても、いざというとき役に立たなければ意味がない。このサイトでは、防災グッズを実際に使った体験記を掲載しているので、一度は目を通して参考にしたい。■安川商事:太陽電池のPC用電源
http://www.st.rim.or.jp/~hide/pcpw-list.html
安川商事株式会社によるPCなどの携帯用電源のサイト。災害時に役立つ可能性のあるPCも、電源が無ければ只の箱だ。このサイトで紹介されている太陽電池を利用すれば、もし送電がストップしても、太陽さえ出ていれば利用することができる。■自転車発電
http://homepage1.nifty.com/kunori/jitenshahatsuden.html
ここは、大学教官にして冒険家の九里徳泰氏のサイト。こちらは、太陽すら出ていなくても利用することができるように、自家発電のやり方が紹介されている。この方法を利用すると、自転車さえ無事ならば発電できる。■防災ベスト「G-VEST」
http://www.free-station.co.jp/
フリーステーションインターナショナルによる、防災時・災害時・サバイバルなどに役立つベスト「G-VEST」紹介サイト。これを着ていれば、防災道具を装備しつつ両手が空いているので、災害時でも作業がしやすくなるだろう。■シノハラ防災株式会社
http://www.sisnet.or.jp/secom/shop/sinohara/
非常食やローソクなどをまとめた「避難ホームセット」、圧縮パック毛布、保存食などの紹介と販売を行なっている。■メルコ:雷サージ機能を備えたADSL用スプリッター「IGM2-FSAC-SP」
http://buffalo.melcoinc.co.jp/products/new/2002/031_2.html
雷サージとAM波ノイズカット機能を搭載したADSL用フィルターとスプリッターのセットになった「IGM2-FSAC-SP」のサイト。ADSL利用者は、ノイズカットと雷対策が行なえる一石二鳥のアイテムとなる。価格2,400円■NTT-ME、ADSL回線対応高機能雷防護アダプター「シアターガード」
http://www.ntt-me.co.jp/news/news2002/nws020726a.htm
ADSL回線対応高機能雷防護アダプター「シアターガード」。「シアターガード」には、AC電源や、テレビアンテナなどにも対応している珍しい機種。これを設置することによって、落雷周辺地域のAV機器等への誘導雷の侵入を未然に防止することが可能となる。価格7,800円■Panasonic:頑丈設計パソコン「タフブック」
http://www.panasonic.co.jp/pc/prod/note/toughbook/index.html
GショックのPC版ともいえるPanasonicのPC「タフブック」のサイト。タフブックは、高さ90cmからの落下にも耐える耐衝撃性を備えているということで、地震でテーブルから落ちたり、物がPCに落下したとしても利用できる可能性の大きい頼りになる頑丈パソコンだ。
○総合的に災害に備える
防災科学技術研究所
■京都産業大学:インターネット版 防災のしおり
http://www.kyoto-su.ac.jp/onigiri/
京都産業大学によるサイト。平時には防災のしおりを公開しているが、災害勃発の際は緊急災害情報システムを稼動させるという。災害時にボランティアとして活動する「TEAM おにぎり」は、大学の講師・生徒・職員等からボランティアで集合する。■防災科学技術研究所
http://www.bosai.go.jp/jindex.html
防災科学技術研究所は、自然災害の原因を究明し、災害による被害拡大を防止しようとしている研究機関だ。このサイトでは、地震データのほか、地滑りを起こしやすい場所のデータベースなどを公開している。■厚生労働省「国内の緊急テロ対策関係」ホームページ
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/j-terr.html
昨年は同時多発テロ、およびその後の炭疽菌騒動などいろいろな問題が発生した。厚生労働省がまとめるこのサイトでは、このようなテロ行為に対して、国民はどのように対処すべきか?政府はどのような対策を取っているのか?を掲載している。■防災ネットワークプラン
http://member.nifty.ne.jp/BOUSAI_NWP/index.html
防災ネットワークプランでは、読者からのメールなどを紹介しながら、防災のあり方について考えるサイト。卓上コンロの作り方など、防災の知識やノウハウも紹介している。「わが家の耐震診断」コーナーでは、自分の家の耐震性能を6項目に答えるだけで「危険」から「安全」までの4段階に分かれた結果を調べることができる。■消防庁
http://www.fdma.go.jp/
阪神・淡路大震災の際、二次災害として最も被害が大きかったのが、火事によるものだという。そのような、二次災害をできるだけ抑えるためにも、このサイトで消火の知識を身につけよう。具体的には、119番のかけ方や消火器の正しい使い方、家具の落下による被害を抑える方法などが掲載されている。■「マンション百科事典」
http://www.haseko.co.jp/index.html
長谷工グループによる「マンション百科事典」のサイト。ここでは、特にマンションなど中高層建物の防災方法について掲載している。「写真で検証する阪神・淡路大震災」のコーナーでは実例を挙げて解説している。
○災害時の連絡手段を探してみる
NTT東日本
災害用伝言ダイヤル■災害用伝言ダイヤル
http://www.ntt-east.co.jp/voiceml/ (NTT東日本)
http://www.ntt-west.co.jp/dengon/ (NTT西日本)
http://www.ntt.com/release/2002NEWS/0008/0827.html
地震や噴火などの災害の発生で、被災地への通信が増加してつながりにくい状況になった場合に提供が開始される「災害用伝言ダイヤル」の紹介ページ。なお、NTT東西とNTTコムの3社が、8/30から9/5までの国の防災週間に合わせて「災害用伝言ダイヤル」を試験運用する。「災害用伝言ダイヤル」を利用するためには、予め家族同士などで「キーとする電話番号」を決めておいたりする必要があるため、体験期間を設けたということなので、上記の期間には是非試して欲しい。■IAA Project
http://www.iaa.wide.ad.jp/index-j.html
WIDEプロジェクトが運営する生存者情報データベース。被災者本人がインターネットで自分の状況を登録することで生存しているを伝えるというもの。現在はトライアル版ながら、PC以外にもiモードからの検索や登録も可能なので、登録してみておこう。■GMOとteacup:災害時緊急コミュニケーション支援システム
http://rescue.tcup.com/
このサイトは、GMOとteacupによって運営されている災害時緊急連絡支援サービスのサイトだ。災害時の避難場所・集合場所などの連絡や、災害情報の告知などを行なえるシステムを提供している。災害時連絡では、地域別に掲示板を用意しているので、ある程度の絞込みが可能だ。■災害掲示板:SOSB
http://www.sosb.com/
SOSBは、有志により運営されている災害関連の掲示板を複数開設しているサイト。掲示板への投稿を元に編集された「防災tipsメールマガジン」やリンク集以外にも、情報発信するためのHP作成方法なども紹介されておりためになる。
(2002/9/2)
[Reported by otsu-j@impress.co.jp / Watchers]