■URL
http://cyber.law.harvard.edu/filtering/china/test/
中国国内でGoogleが使用できない状況になっている可能性が高いことが今週判明した。これはハーバード大学法科大学院Berkman Center for Internet & SocietyのJonathan Zittrain氏とBenjamin Edelman氏が行なっている中国のWeb検閲政策に関する研究で明らかになったものだ。
両氏は調査対象となるサイトが北京からアクセスできるかどうかをほぼリアルタイムに調べるシステムを構築し、これをインターネットに公開して中国政府がどのようなサイトを検閲しているのか、その一覧表を作成しようとしている。現在このようなデータは公には存在していない。
これまでにも中国では大手ニュースサイト「CNN.com」など、国の政策に合わない情報を提供しているサイトをブロックしてきたが、インターネット全体の情報をカバーするサーチエンジンであるGoogleをブロックしたのは今回初めてだ。その一方でGoogleの検索結果を利用しているYahoo!は利用できるようだ。
こうした措置は一般的には中国政府の“情報統制”と受けとめられることも多いが、それぞれの措置のどの程度までが情報統制なのかを見極めるのは現時点では難しい。一部の中国人は「自国のインターネット企業を保護するためだ」との現実的な見解を持っているようだ。
Berkman Centerの調査は、中国のWeb検閲政策を大きな目で捉えるために一定の役割を果たすものの、北京からの情報だけに限られる上、インターネット回線の問題などによってサイトにアクセスできない場合などの事例を排除できないという欠点を持っている。両氏は今後サイトの信頼性を高めるために具体的な調査方法などを公開する予定だ。
(2002/9/3)
[Reported by 青木 大我 (taiga@scientist.com)]