【業界動向】

ICANNが米VeriSignにWhoisデータベース改善を要求
~最悪レジストラー認可取り消しも

■URL
http://www.icann.org/announcements/announcement-03sep02.htm

 ドメイン管理団体のICANNは3日、Whoisデータベースのデータを正確なものにするようすべてのレジストラーに対して注意を喚起すると同時に、長期間にわたって再三の警告にもかかわらずWhoisデータを修正しようとしなかった米VeriSignに対して.comレジストラーの認可を取り消すことも含めた警告を行なったことを明らかにした。

 VeriSignは、独占的にドメイン名管理を行なっていた米Network Solutionsから業務を引き継いだ最も古いレジストラーで、このような警告を受けるレジストラーとしても初めての例となった。

 ICANNの主張によると、ICANNが認可しているおよそ150のレジストラーの中には時折Whoisデータベースに間違いが見られるものの、たいていの場合ICANNの要求に応えてそのデータを修正してきた。しかしVeriSignの場合は、長期間にわたってICANNの警告を無視してきたためこのような措置になったという。レジストラーはICANNの認可を受けるときに交わす契約でWhoisデータを正確に保つ責任が明記されている。

 例えばVeriSignのWhoisデータには、ドメイン名が「Toto」で住所が「the yellow brick road,Oz,KS」などという不正確な住所が記されている例があるほか、正確な電話番号やメールアドレスを修正しないまま放置している、など合わせて17件の悪質な間違いがあるとICANNは指摘している。

 ICANNはVeriSignに対して15日間の猶予期間を与え、この間にICANNとの契約通り17件すべての誤りを修正しなければICANNの権限に基づきレジストラーとしての認可を取り消すと警告している。

 またこの発表と同時に、ICANNはWhoisデータベースのデータを正確に保つ作業に困難が伴うことを認め、レジストラーがデータ処理を行ないやすくするためのツールを配布するほか、Whoisデータベースの間違いと修正過程を追跡できるようにするためのシステムを提供することも併せて発表している。

(2002/9/4)

[Reported by 青木 大我 (taiga@scientist.com)]

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