米Gartnerは24日、混迷するネットワークサービスプロバイダー(NSP)業界に対して、企業は直ちに対応する必要があるとの調査報告を発表した。NSP市場では倒産や大規模な合併が続いているが、企業は複数のNSP戦略を採用することで事業の継続性を確保し、混迷が続く市場を契約を再交渉するための機会としてとらえるよう提言している。
Gartnerは、世界のNSP市場の苦況が少なくとも2004年まで続くと見ている。GartnerのJay Pultz副社長は「おそらく、多くの整理統合が起き、多くのNSPは破産法の申請を行なうだろう。一方、健全なNSPは投げ売りの資産を安く買って成長するだろう」と予測している。
このような状況で、価格が上昇を始めているため、企業は直ちにNSPとの契約料金を固定するよう、Gartnerは勧めている。過去12~18カ月間、価格を再交渉しなかった企業は、企業が支払っている料金よりも現在の料金の方が安いため、直ちに再交渉すべきだとしている。さらに、NSPが十分なサービスを提供できなくなった場合に企業を守るため、契約条項をより柔軟に解除するために交渉すべきだとしている。
NSPが市場から消えても事業の継続性を確保するためには、企業は複数のNSPと契約する必要がある。Pultz氏は「企業が音声通話やデータ通信サービスなど、すべてのサービスを1社のNSPに頼れたのは過去のことだ。うろたえることはないが、リスクを減らすために必要な措置を、効率の低下とリスクに対するコストの上昇とをはかりにかけて、慎重に検討する必要がある」と提言している。
(2002/9/25)
[Reported by 江藤 浩幸]