【新製品】

ダブルクリック、メールマーケティングツール「ClickM@iler」を発表

■URL
http://www.doubleclick.ne.jp/

上がダブルクリックの木戸社長、下は「ClickM@iler」の測定レポート画面
 ダブルクリック株式会社は、eメール配信管理ソフトウェア「ClickM@iler」(クリックメーラー)を10月8日から販売開始すると発表した。韓国企業より買収した技術を用いた製品となる。

 ダブルクリックでは先日、韓国のInfoweb社よりメール配信ソフトウェアの知的所有権買収を発表している。このソフトウェアをベースとして、ダブルクリックが独自に開発した配信管理ソフト「ClickM@iler」を、新たに提供する形となる。同社では約1年前から「DARTmail」というメールマーケティングASPを提供しているが、今回サーバー向けソフトウェアを発表したことで、企業内の顧客データベースなどと連動した大量配信が可能になったほか、よりきめ細かいメールマーケティングが実現できるという。ダブルクリックの木戸孝代表取締役社長は、「金融関連の企業などは外に顧客データを出しにくいため、以前からソフトウェア型の配信ツールを望む声が高かった。『ClickM@iler』を用いることで、企業内の既存データベースとの連携が容易になり、より高度なeメールマーケティングを実現することができる」と述べている。

 「ClickM@iler」は、メールの配信管理機能と、効果測定・レポート機能を備えており、メール内のURLのクリック率やメール開封率に加えて、メールの購読時間や、メール受信者ごとの個別の購読行動も把握でき、高度な効果測定を実現できるという。テンプレートでメール作成の手間を軽減したり、配信タイミングや文字数制限、配信速度など、項目ごとに柔軟な設定が可能になっている。OSはLinuxとSolarisに対応し、価格はライセンスと導入費用で約1,000万円を予定している。

 木戸氏によれば、日本のメールマーケティング市場はいよいよ本格化してきた時期で、ダブルクリックでは自社開発を含めた新たな製品の投入を検討してきたが、「日本国内の製品を含めいくつか検討したが、メールを単に大量配信するだけではなく、企業がどう配信して売上げに生かしていくかということを理解していて、かつ開発がしやすいといった点から、Infoweb社の技術を選択した」(木戸氏)という。買収金額は約1億8,000万円で、ソースコードを含めたすべての権利を買収しているため。日本市場に合わせたカスタマイズも積極的に行なう方向だ。すでに数社から引き合いが来ているといい、初年度に約30社からの受注と、コンサルティングなどを含めて約5億円の売上げを目標としている。

 なおダブルクリックは平成15年3月期業績予想の下方修正も発表した。中間業績予想の場合、売上げ高が前回(5月)発表時の18億5,000万円から14.6%ダウンの15億8,000万円。通期の場合、前回の40億円から18.8%ダウンの32億5,000万円としている。不況下でバナー広告配信ネットワークが伸び悩み、また広告配信技術を提供するテックソリューション事業も当初見込んでいたほどの伸びを見せていない点が原因としている。このため、前回は平成15年3月通期で経常利益の黒字化を予想していたが、今回発表では一転して3億8,000万円の赤字を見込んでいる。

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(2002/9/27)

[Reported by aoki-m@impress.co.jp]

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