【業界動向】

米国の音楽業界、有名アーティストを起用した違法ダウンロード撲滅キャンペーン

■URL
http://www.musicunited.org/
http://www.afim.org/news/index.cfm?action=news&newsid=17

 米レコード協会(RIAA)や米音楽家連盟(AFM)、全米レコーディング芸術・科学アカデミー(NARAS)など、各音楽業界団体によって設立された「Music United for Strong Internet Copyright」(MUSIC)が26日、有名アーティストを起用して、違法な音楽ファイルのダウンロードを撲滅するキャンペーンを開始した。

 このキャンペーンには、MadonnaやSting、Stevie Wonder、Britney Spears、Eminem、Elton John、Neil Young、Marilyn Mansonなどの大物アーティストを始め、約90人のアーティストが参加。主要紙に広告を掲載するほか、TVやラジオでCMを流し、著作権付き楽曲を無許可で複製したり、配布するのは違法だと訴えていく。

 MUSICはキャンペーン用のWebサイトも開設し、各アーティストのメッセージや著作権法の説明、違法ダウンロードソフトの削除方法、合法音楽配信サービスの紹介などを掲載している。例えば、Britney Spearsは「コンピューターにログオンして私たちの楽曲を盗むのは、CDショップに入ってCDを盗むのと同じよ。どうしてそんなことするの?」というメッセージを掲載している。

 また、違法なダウンロードに利用されているP2Pファイル交換ソフトとして、KaZaAやLimeWire、BearShare、Morpheus、WinMXなどを挙げている。これらのユーザーとして登録すれば、自分のコンピューター上にある音楽ファイルを提供することに同意したも同じであり、違法なファイルの配布元になるだけでなく、インターネットに接続すると世界中のユーザーがハードディスクにアクセス可能になるとして警告。これらファイル交換ソフトの削除方法も紹介している。

 これとは反対に、合法的な音楽配信サービスとして、大手レコード会社が設立した「MusicNet」や「pressplay」のほか、CenterSpanの「Scour」、Emusic、LiquidAudioの「BurnItFirst.com」、Listen.comの「Rhapsody」、RealNetworksの「RealOne MusicPass」、RioPortなどを紹介している。

 RIAAが8月に発表した調査報告によると、違法な音楽ファイルのダウンロードが増加したことで、2002年上半期には音楽CDの出荷枚数が前年同期に比べて7%も減少している。今回のキャンペーンにより、音楽ファイルの違法ダウンロードに歯止めがかかるのか、疑問視する声もあるが、ある程度の効果が得られるのは間違いないだろう。

(2002/9/30)

[Reported by 江藤 浩幸]

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