【アナウンス】
皆様のおかげをもちまして、インターネットウォッチは無事に2回目の正月を迎えることができました。ありがとうございます。
昨年は、インターネットが一過性のブームではなく、一つのメディアとして受け入れられた年だといえます。弊社が先鞭切った「電子メール新聞」というコンセプトも、毎日新聞、日経新聞などの新聞社やソフトバンクなどのパソコン系出版社など数多くの会社から類似のサービスが登場し、速報メディアとして定着した感があります。
また、パソコン業界から見ても、今までCPUやOSを中心にして回ってきた流れがインターネットを中心にした動きに変わってきており、どのようなソフトウェアもインターネットを無視しては存在し得ない状態になっています。気づけば、すべてのパソコンにインターネット接続キットが標準で添付されています。
一方、一般社会を見ても、さまざまな広告にURLが氾濫し、電話番号と同じような感覚になってきています。先日地下鉄の駅で、全面にURLのみというポスターも見かけました。URLがより詳しい情報へアクセスする道標だということは、ほぼ認知されたといっていいでしょう。
しかし、一方でそのURLの指し示す先に必ずしも満足する情報があるとは限らないということが徐々にばれてきた年でもあります。WWWサーバーは、無数にあるものの、利用するに値するものは少ないのが現状です。
今年はそういう意味で、内容勝負の年になるでしょう。今までは、「インターネットを使って」と書けばそれだけで記事になったものが、これからは「でいったい何をするの?」と問われる時代になると思っています。例えば、RealAudioも、VDOLiveも使うことは簡単ですが、ラジオ番組やテレビ番組を作るのは大変なことです。
インターネットウォッチも、今までは電子メールという媒体だけでやってきたわけですが、今年はWWWサーバーにニュースを掲載することで、より速報が可能なようにし、なおかつ、RealAudioなども利用し最適なメディアを選択して読者の皆様に情報を提供できるように努力していきたいと考えています。
この変革の一つとして、本年2月から料金の値下げをいたします。現在6ヶ月2,400円の購読料が6ヶ月1,800円(1ヶ月あたり300円)になります。同時に行なうPC Watchのメールサービスの有料化(6ヶ月1,800円)に伴い、インターネットウォッチの料金も値下げし併読時の皆さんの負担を軽減いたします。また、インターネットウォッチをご購読されている方が、3月までにPC Watchをお申し込みになった場合、PC Watchの購読期間を2ヶ月プラスいたします。なお、2月以降の購読期間に関しましては差額分を延長いたします。購読期間の延長に関しましては、このメールの最後にありますインプレス販売からのお知らせをご覧ください。
また、同時にWWWサーバーをPC Watchと同様のニュースサイトにし、広告収入で運営いたします。このため、現在パスワードロックをかけています検索サービスなども無料で公開いたします。
WWWで無料で見れるのなら、有料のメールサービスはいらないではないか?といった意見もあると思います。しかし、WWWを毎日チェックするより、自動的に配信される電子メールの方が情報に確実にアクセスでき、情報を取り逃がすことがありません。例えば、先日のAppleのNeXT買収などの号外が届きますので、だれよりも早く情報にアクセスすることができます。もちろん、将来的にはWWWサーバーの内容も有料で提供することを考えてはおりますが、その際には1ページ当たり数円という小額決済が必要になります。こうした仕掛けが揃って来るまでは無料での提供を続けたいと考えております。
WWWを充実させることで、今までと違う企画もいくつか用意しております。例えば、RealAudioを使ったホームページのナビゲーションであるとか、著名人へのインタビュー、PC Watchラジオに対抗したインターネットウォッチラジオなどさまざまな可能性があります。また、何よりもその日の朝に入った当日行なわれるイベント情報など、日刊でもフォローできない情報を発信できるようになります。もちろんメールの方も、きちんと料金を支払っていただいている読者の皆さんに納得いただけるような新企画を計画中です。
WWWを無料開放することで、それだけメールサービスを購読されている読者の皆様の目が厳しくなると覚悟しております。有料に値するサービスであるよう我々も努力してまいりますので、皆様のご協力をお願いいたします。
1997年 元旦
ウォッチ編集部 編集長 山下憲治